過渡現象

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過渡現象の過去問解説(第30〜32回)

過渡現象は、スイッチを入れた(切った)直後に電圧・電流が時間とともに変化していく現象です。国試では「時定数τ(タウ)」を出させる問題がほぼすべて。RC回路ならτ=CR、RL回路ならτ=L/R、そして「t=τのとき、値は初期値の1/e(約37%)になる」——この2つだけで大半が解けます。この記事では第30〜32回の3問を、計算過程つきで解説します。

第30回

午前49問|RC放電回路の電流(1秒後)

図の回路でコンデンサが1000Vで充電された状態でスイッチを閉じる。スイッチを閉じてから1秒後の電流値[mA]に最も近いのはどれか。ただし、自然対数の底eは2.7とする。
第30回午前49問 RC放電回路(10μF・100kΩ)
1. 10
2. 6.3
3. 5.0
4. 3.7
5. 1.0

正解:4(3.7mA)
手順は3つ。
① 時定数:τ=CR=10μF×100kΩ=10×10⁻⁶×100×10³=1秒
② 初期電流:スイッチを閉じた瞬間、コンデンサの1000Vがそのまま100kΩにかかるので、I₀=1000V÷100kΩ=10mA
③ 1秒後=ちょうどt=τの時点。放電の電流は I=I₀×e^(−t/τ) なので、I=10×(1/e)=10÷2.7≒3.7mA
「t=τで初期値の1/e(約37%)」を覚えていれば、計算はほぼ暗算です。

第31回

午前51問|RL回路のインダクタ電圧(1ms後)

図の回路でスイッチを閉じてから1ms後にインダクタの両端にかかる電圧[V]に最も近いのはどれか。ただし、自然対数の底eは2.7とする。
第31回午前51問 RL直列回路(1.5V・1kΩ・1H)
1. 1.5
2. 1.2
3. 0.9
4. 0.6
5. 0.3

正解:4(0.6V)
RL直列回路(E=1.5V、R=1kΩ、L=1H)です。
① 時定数:RL回路は τ=L/R=1H÷1kΩ=10⁻³秒=1ms(RCと違って「Rで割る」ことに注意)。
② スイッチを閉じた瞬間、インダクタは電流の急変を妨げるので、電源電圧1.5Vがすべてインダクタにかかる(V_L(0)=E=1.5V)。
③ その後インダクタの電圧は V_L=E×e^(−t/τ) で減衰。1ms後=ちょうどt=τなので、V_L=1.5×(1/e)=1.5÷2.7≒0.56≒0.6V
ここでも「t=τで1/e」がそのまま使えます。

第32回

午後48問|片対数グラフから時定数を読む

図1の片対数グラフは、図2の回路においてスイッチSを①にしてコンデンサCを10Vに充電後、スイッチを②にして抵抗Rで放電したときのコンデンサCにかかる電圧の経時変化である。およその時定数[秒]はどれか。ただし、自然対数の底はe=2.7とする。
第32回午後48問 片対数グラフと放電回路
1. 0.5
2. 1
3. 2
4. 5
5. 8

正解:4(5秒)
放電の電圧は V=10×e^(−t/τ)。t=τの時点で V=10×(1/e)=10÷2.7≒3.7V になります。
グラフで「電圧が3.7Vまで下がった時刻」を読むと、約5秒。よって時定数τ≒5秒。
検算:t=10秒(=2τ)ではV=10×e⁻²=10÷7.3≒1.4V。グラフの終点(10秒で約1.4V)とも一致します。
片対数グラフで指数減衰が直線になるのは「対数を取ると直線になる」から。この形のグラフが出たら「初期値の37%になる時刻=時定数」と読むのが型です。

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本記事は臨床工学技士国家試験の学習用にまとめたものです。出題基準・最新の傾向は厚生労働省の公表情報をご確認ください。掲載の過去問は第30回〜第32回 臨床工学技士国家試験より引用しています。

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