交流回路

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交流回路の過去問解説(第30〜33回)

交流回路は、医用電気電子工学の頻出分野です。直流と違って「位相」「実効値・平均値」「リアクタンス(ωL・1/ωC)」「共振」「ベクトル(直角三角形)で電圧を足す」といった交流特有の考え方が要になります。逆に言うと、この数パターンを押さえれば確実に得点源。この記事では第30〜33回の6問を、1問ずつ計算過程つきで解説します。

第30回

午前50問|正弦波交流の位相差

正弦波交流 i₁=141sin(100πt+π/3)[A]、i₂=282sin(100πt−π/6)[A] において、i₁ と i₂ の位相差[rad]について正しいのはどれか。

1. i₁がi₂よりπ/6進んでいる 
2. i₁がi₂よりπ/2進んでいる 
3. i₁がi₂より2π/3遅れている 
4. i₁がi₂よりπ/6遅れている 
5. i₁がi₂よりπ/2遅れている

正解:2(i₁がi₂よりπ/2進んでいる)

位相差は sin の中身(位相)の差だけで決まります。振幅(141や282)は位相差には無関係のひっかけです。
i₁の位相=+π/3、i₂の位相=−π/6。
位相差=(+π/3)−(−π/6)=π/3+π/6=2π/6+π/6=π/2
i₁の位相の方が大きい=i₁がi₂より π/2 進んでいる。
(補足:141≒100√2なので i₁は実効値100A、282≒200√2なので i₂は実効値200A。これも解答には関係しない数字)

午後50問|RL直列回路の電圧(ベクトル合成)

図の正弦波交流回路で抵抗Rの両端の電圧が60Vのとき、コイルLの両端の電圧[V]はどれか。
第30回午後50問<br><br>RL直列回路(電源100V)” width=”430″ height=”222″/></figure>



1. 0<br>2. 20<br>3. 40<br>4. 60<br>5. 80<br><br><strong>正解:5(80V)</strong><br>



電源100VのRL直列回路です。交流では、抵抗の電圧V_Rとコイルの電圧V_Lは<strong>位相が90°ずれている</strong>ため、単純な足し算ではなく<strong>直角三角形(ベクトル)で合成</strong>します。<br>電源電圧V=√(V_R²+V_L²)。<br>100²=60²+V_L² → V_L²=10000−3600=6400 → V_L=<strong>80V</strong>。<br>(60・80・100の3:4:5の直角三角形。交流の電圧はベクトルで足す、が最大のポイント)<br>




<h2><span id=第31回

午後50問|変圧器の電圧(巻数比)

図の変圧器の一次側電流Iが2Aのとき、電圧E[V]はどれか。ただし、変圧器の巻数比は2:1とする。
第31回午後50問<br><br>変圧器(巻数比2:1・2次側10Ω)” width=”449″ height=”273″/></figure>



1. 10<br>2. 20<br>3. 40<br>4. 80<br>5. 160<br><br><strong>正解:4(80V)</strong><br>



変圧器の3つの関係を順に使います(巻数比 N₁:N₂=2:1)。<br>① 電流は巻数の逆比:I₁N₁=I₂N₂ → 二次電流 I₂=I₁×(N₁/N₂)=2×(2/1)=<strong>4A</strong>。<br>② 二次側の電圧(10Ωの両端):V₂=I₂×R=4×10=<strong>40V</strong>。<br>③ 電圧は巻数比:E=V₁=V₂×(N₁/N₂)=40×2=<strong>80V</strong>。<br>(電圧は巻数比どおり・電流は巻数の逆比、をセットで覚える)<br>




<h2><span id=第32回

午後49問|RLC直列回路の共振時インピーダンス

RLC直列回路において共振時の電気インピーダンスの大きさはどれか。ただし、ωは共振角周波数とする。
第32回午後49問<br><br>選択肢” width=”178″ height=”297″/></figure>



<br><strong>正解:1(Z=R)</strong><br>



RLC直列回路のインピーダンスは Z=√(R²+(ωL−1/ωC)²)。<br><strong>共振</strong>とは、コイルのリアクタンス ωL と コンデンサのリアクタンス 1/ωC が等しくなる(ωL=1/ωC)状態です。このとき括弧の中がゼロになり、リアクタンス分が完全に打ち消し合います。<br>よって共振時は Z=<strong>R</strong>(純抵抗のみ・インピーダンス最小)。回路に流れる電流は最大になります。<br>(共振=XLとXCが相殺してZ=R最小、が交流の最重要ポイントのひとつ)<br>




<h2><span id=第33回

午前51問|正弦波・整流波形の平均値と実効値

表は、正弦波交流波形Aとその整流波形B・Cについて、それぞれの平均値[V]および実効値[V]を示している。表中の空白箇所ア・イに入る値の正しい組合せはどれか。
第33回午前51問<br><br>波形A/B/Cの平均値・実効値の表” width=”642″ height=”443″/></figure>



1. 31.8/60.4<br>2. 31.8/70.7<br>3. 45.0/50.0<br>4. 45.0/60.4<br>5. 45.0/70.7<br>



<br><strong>正解:2(ア=31.8、イ=70.7)</strong><br>



いずれも振幅(最大値)Vm=100Vの波形です。整流波形の平均値・実効値は公式で決まります。<br>・<strong>波形A(正弦波)</strong>:平均値=0(+と−が打ち消す)、実効値=Vm/√2=100/√2=70.7。<br>・<strong>波形B(半波整流)</strong>:平均値(ア)=Vm/π=100/3.14=<strong>31.8</strong>、実効値=Vm/2=50.0。<br>・<strong>波形C(全波整流)</strong>:平均値=2Vm/π=63.7、実効値(イ)=Vm/√2=<strong>70.7</strong>(全波整流の実効値は元の正弦波と同じ)。<br>覚え方:半波は「平均Vm/π・実効Vm/2」、全波は「平均2Vm/π・実効Vm/√2」。<br>




<h3><span id=午後49問|CR直列回路に方形波を入力 図のようなCR直列回路に連続した方形波を入力させたときについて正しいのはどれか。
第33回午後49問<br><br>CR直列回路(C=4.7μF・R=10Ω・パルス幅50μs)” width=”623″ height=”304″/></figure>







1. 抵抗の両端電圧v_Rは積分波形を示す。<br>2. 回路の時定数は0.47nsである。<br>3. パルス幅に対して時定数は十分小さい。<br>4. v_i=R・i と表すことができる。<br>5. キャパシタの両端電圧v_Cの波形はほぼ三角波となる。<br>



<br><strong>正解:5(v_Cの波形はほぼ三角波となる)</strong><br>



まず時定数を出します。τ=CR=4.7μF×10Ω=4.7×10⁻⁶×10=<strong>47μs</strong>。入力方形波のパルス幅は50μsなので、<strong>時定数≒パルス幅</strong>という関係です。<br>




<ul><li>1 ×:v_Rは積分波形ではない(積分波形になるのはコンデンサ側v_C)。</li><li>2 ×:時定数は47μsで、0.47nsではない(桁が全く違う)。</li><li>3 ×:時定数47μsはパルス幅50μsとほぼ同じ=「十分小さい」わけではない。</li><li>4 ×:正しくは v_i=v_C+v_R=v_C+R・i。v_Cを無視できないので v_i=R・i とは書けない。</li><li>5 ○:時定数がパルス幅と同程度以上あると、コンデンサは満充電に達する前に向きが変わり、直線的に充放電する。方形波を積分した形=<strong>ほぼ三角波</strong>になる。</li></ul>





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本記事は臨床工学技士国家試験の学習用にまとめたものです。出題基準・最新の傾向は厚生労働省の公表情報をご確認ください。掲載の過去問は第30回〜第33回 臨床工学技士国家試験より引用しています。

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