直流回路

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直流回路の過去問解説(第30〜32回)

直流回路は、医用電気電子工学の中でも計算問題の定番です。使う道具は「オームの法則」「合成抵抗(直列は和・並列は積÷和)」「分圧・分流」「キルヒホッフの法則」「ミルマンの定理」といった基本テクニックの組み合わせ。パターンを覚えると確実に得点源になります。この記事では第30〜32回の8問を、1問ずつ「解き方の型」とあわせて解説します。

第30回

午前48問|ab間の電圧(ミルマンの定理)

図の回路でab間の電圧[V]はどれか。ただし、抵抗Rはすべて同じ値とする。
第30回午前48問<br><br>回路図” width=”566″ height=”301″/></figure>



1. 1<br>2. 2<br>3. 3<br>4. 6<br>5. 12<br>



<br><strong>正解:3(3V)</strong><br>



4つの枝が並列で、それぞれ同じ抵抗Rと電源(1V・2V・3V・6V)が直列に入っています。抵抗がすべて等しいとき、ab間の電圧は各電源電圧の単純平均になります。<br>ab間の電圧 =(1+2+3+6)÷4 = 12÷4 = <strong>3V</strong>。<br>これは<strong>ミルマンの定理</strong>(並列電源回路の端子電圧=Σ(E/R)÷Σ(1/R))の典型で、抵抗が全部同じなら「電源電圧の平均」になる、と覚えると速いです。<br>




<h3><span id=午後52問|電池の内部抵抗(V-I特性を読む) 図1は電池に負荷抵抗を接続した回路である。端子電圧Vと電流Iの関係を図2に示す。端子電圧Vが2.7Vのときの負荷抵抗の値[Ω]はどれか。ただし、図1の点線内は電池の等価回路である。
第30回午後52問<br><br>回路図とV-I特性” width=”662″ height=”295″/></figure>



1. 3.6<br>2. 4.2<br>3. 4.8<br>4. 5.4<br>5. 6.0<br>



<br><strong>正解:4(5.4Ω)</strong><br>



V-I特性の直線から、電池の中身(起電力と内部抵抗)を読み取ります。<br>・電流I=0のときの端子電圧=<strong>起電力E=3.0V</strong>(グラフの縦軸切片)。<br>・直線の傾き=−(内部抵抗r)。グラフより I=1.0AのときV=2.4Vなので、r=(3.0−2.4)÷1.0=<strong>0.6Ω</strong>。<br>端子電圧V=2.7Vのとき、電流I=(E−V)÷r=(3.0−2.7)÷0.6=0.5A。<br>負荷抵抗R=V÷I=2.7÷0.5=<strong>5.4Ω</strong>。<br>ポイントは「内部抵抗はV-I直線の傾きから読む」こと。<br>




<h3><span id=午後48問|18Ωに流れる電流(分流) 図の回路において、18Ωの抵抗に流れる電流I[A]はどれか。
第30回午後48問<br><br>回路図” width=”509″ height=”476″/></figure>



1. 1.0×10⁻³<br>2. 9.0×10⁻³<br>3. 1.0×10⁻²<br>4. 9.0×10⁻²<br>5. 1.0×10⁻¹<br>



<br><strong>正解:1(1.0×10⁻³ A = 1mA)</strong><br>



解き方の型は<strong>分流(電流の枝分かれ)</strong>。全体を流れる電流(図の1.0×10⁻¹A)が、18Ωの枝ともう一方の枝(0.2Ω・1.8Ω側)に分かれます。分流則「各枝に流れる電流は抵抗の逆比」で18Ω側の電流を求めます。全体電流0.1Aのうち、18Ωの枝はごくわずか(正解は1.0×10⁻³A=1mA)で、大部分はもう一方の低い抵抗の枝に流れます。<br>




<h2><span id=第31回

午前49問|スイッチと電流2倍(合成抵抗の変化)

図の回路において、スイッチを閉じると、閉じる前と比べて1Ωの抵抗に流れる電流[A]が2倍となった。このときの抵抗R[Ω]はどれか。
第31回午前49問<br><br>回路図” width=”410″ height=”191″/></figure>



1. 0.2<br>2. 0.5<br>3. 1<br>4. 2<br>5. 5<br>



<br><strong>正解:3(1Ω)</strong><br>



解き方の型は<strong>スイッチ開閉による合成抵抗の変化</strong>。スイッチを閉じるとRの枝が回路に加わり、回路全体の合成抵抗が変わって1Ωに流れる電流が変化します。「閉じる前の1Ωの電流」と「閉じた後の1Ωの電流」がちょうど2倍になる、という条件式を立ててRを求めます(正解は1Ω)。<br>




<h3><span id=午後47問|電熱器で水を温める時間(熱量) 出力500Wの電熱器で、20°Cの水100gを温めたとき、60°Cになるまでのおよその時間[s]はどれか。ただし、電熱器の出力はすべて水の温度上昇に使われるものとし、水の比熱は4.2×10³ J/(kg・K)とする。
1. 17
2. 34
3. 50
4. 67
5. 84

正解:2(34s)
図のいらない完全計算問題です。
必要な熱量Q=質量×比熱×温度差=0.1kg×(4.2×10³)×(60−20)=0.1×4200×40=16800J
電熱器の出力Pがすべて水に使われるので、時間t=Q÷P=16800÷500=33.6≒34s
ポイントは質量をg→kgに直すこと(100g=0.1kg)。ここを忘れると桁が狂います。

午後48問|節点Aの電位(節点方程式)

図の回路で節点Aの電位[V]に最も近いのはどれか。
第31回午後48問<br><br>回路図” width=”426″ height=”413″/></figure>



1. 3<br>2. 4<br>3. 5<br>4. 6<br>5. 7<br>



<br><strong>正解:3(5V)</strong><br>



解き方の型は<strong>節点方程式(キルヒホッフの電流則)</strong>。節点Aに「流れ込む電流の和=流れ出る電流の和」を立て、節点Aの電位を1つの未知数として解きます(ミルマンの定理を使っても同じ)。正解は5V。<br>




<h2><span id=第32回

午前50問|ab間の合成抵抗

図のab間の合成抵抗[Ω]はどれか。
第32回午前50問<br><br>回路図” width=”385″ height=”194″/></figure>



1. 1.0<br>2. 2.0<br>3. 3.0<br>4. 4.0<br>5. 5.0<br>



<br><strong>正解:4(4.0Ω)</strong><br>



解き方の型は<strong>直列・並列の合成</strong>(直列は和、並列は「積÷和」)。図を内側から順に、直列でまとめられる所・並列でまとめられる所を1つずつ計算していきます。もしブリッジ型(ホイートストンブリッジ)なら、平衡条件(対辺の抵抗の積が等しい)を満たすと中央の枝に電流が流れず計算が一気に楽になります(正解は4.0Ω)。<br>




<h3><span id=午前51問|電流計・電圧計の内部抵抗(測定器の負荷効果) 図の回路において、抵抗Rを流れる電流I[mA]はおよそどれか。ただし、電圧計Vの内部抵抗RV=10MΩ、電流計Aの内部抵抗Ra=10Ωとし、電圧源Eの内部抵抗は無視する。
第32回午前51問<br><br>回路図” width=”393″ height=”183″/></figure>



1. 0.1<br>2. 0.2<br>3. 1<br>4. 2<br>5. 10<br>



<br><strong>正解:1(0.1mA)</strong><br>



解き方の型は<strong>測定器の内部抵抗の影響(負荷効果)</strong>。<br>・電圧計の内部抵抗10MΩは非常に大きいので、電圧計の枝にはほとんど電流が流れません(理想的な電圧計は内部抵抗∞)。<br>・電流計の内部抵抗10Ωは回路に直列で加わります(理想的な電流計は内部抵抗0)。<br>これらを踏まえて、抵抗Rを流れる電流を求めます(正解は0.1mA)。理想からのズレが小さいので、測定器を入れても電流はほぼ理論どおりになる、というのがこの問題の主旨です。<br>




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本記事は臨床工学技士国家試験の学習用にまとめたものです。出題基準・最新の傾向は厚生労働省の公表情報をご確認ください。掲載の過去問は第30回〜第32回 臨床工学技士国家試験より引用しています。

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