フットケア(足のケア)とは、糖尿病・透析・末梢動脈疾患(PAD)の患者さんの足を、
傷・感染・壊疽から守り、下肢切断を防ぐための予防と管理です。神経障害や血流障害があると小さな傷が気づかないうちに悪化するため、
「傷を作らない・早く気づく」ことが命綱になります。
図:足病変の進行過程(小さな傷→潰瘍→感染→壊疽→切断)。各段階でフットケアが進行を止める。
なぜフットケアが大事か
糖尿病や透析の患者さんは、①
神経障害で痛みを感じにくく、傷に気づきにくい ②
血流が悪く、傷が治りにくい ため、小さなケガ・靴ずれ・やけど・深爪が、潰瘍→感染→壊疽と進み、放置すると
下肢切断に至ります。だからこそ、日々の予防と早期発見が最重要です。
フットチェック(評価項目)
足の状態を定期的にチェックします。
- 足の観察:たこ・魚の目・足趾変形・白癬(水虫)・傷・靴ずれ
- 脈拍触診:足背動脈・後脛骨動脈・膝下動脈の拍動
- 血流評価:ABI(足関節上腕血圧比)、SPP(皮膚灌流圧)(石灰化でABIが当てにならない時はSPPが有用)
- 神経検査:知覚検査、アキレス腱反射・膝蓋腱反射
- 問診:間欠性跛行(歩くとふくらはぎが痛む)の有無
毎日の予防フットケア
- ぬるま湯と石けんで指の間まで洗い、よく乾かす
- 深爪をしない
- 裸足で歩かない
- 靴下をこまめに取り替える
- 毎日、足の裏まで点検する(見えにくければ鏡や家族に)
- 足全体にフィットし、つま先がゆったりした靴を選ぶ
- 水虫・たこ・魚の目・やけど・切り傷・虫刺されは、自己処理せず医師に相談
傷ができてしまったら(創傷ケアと治療)
潰瘍ができたら、血流を回復させる
血行再建(EVT・バイパス)と、傷そのものを治す
創傷ケア(デブリードマン=壊死組織の除去、陰圧閉鎖療法NPWT、免荷)、
感染管理を、多職種チームで並行して行います。血行再建が不適応なASOの潰瘍には、
レオカーナなどの補助療法もあります。全体像は
CLTI(重症下肢虚血)とは を参照してください。
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