ABI(足関節上腕血圧比、Ankle-Brachial Index)は、
足首の血圧 ÷ 腕の血圧で計算する、足の動脈の詰まり(末梢動脈疾患・PAD/ASO)を調べる
いちばん基本のスクリーニング検査です。比が
1前後なら正常、低いほど足の血流が悪いと読みます。
どうやって計算する?
左右の腕と足首の収縮期血圧を測り、
足首の血圧を腕の血圧で割ります。ふつうは左右それぞれ、低い方の足首血圧を採用します。
図:ABI=足首の収縮期血圧 ÷ 上腕の収縮期血圧
なぜ足首の方が高いの? 動脈は末梢に向かうほど細くなり、また末梢からの圧脈波の反射が加わるため、
正常では足首の収縮期血圧は上腕より10〜15mmHgほど高くなります。だからABIは
1をやや超えるのが正常で、足の動脈が詰まると足首の血圧が下がり、ABIが低くなります。
検査の実際
あおむけ(仰臥位)で、両腕・両足首にカフを巻き、胸に心音マイクを付けて四肢の血圧を同時に測ります。
痛みはなく、5〜10分程度で終わります。多くの装置では、動脈の硬さ(血管年齢)をみる
CAVIやPWVも同時に測定できます。
数値の見かた
図:ABIの数値の見かた(1前後が正常、低いほど虚血、≧1.40は石灰化で注意)
| ABI | 判定 |
|---|
| ≧1.40 | 石灰化で血管が固い(値が当てにならない可能性) |
| 1.00〜1.40 | 正常範囲 |
| 0.91〜0.99 | 境界域 |
| ≦0.90 | 末梢動脈疾患(PAD)を疑う |
| ≦0.40 | 重症虚血の可能性 |
ABIが0.90以下なら、下肢動脈に50%以上の狭窄がある感度は約90%・特異度は約95%と報告されており、スクリーニングとして非常に有用です。ABIは足の血流だけでなく、
心血管疾患・全死亡の予後予測にも関連するとされています。
ABIの弱点|糖尿病・透析で当てにならないことがある
糖尿病や透析の患者は
動脈の石灰化で血管が圧迫されにくくなり、
ABIが実際より高く出て虚血を見逃すことがあります(ABI≧1.40)。この場合は、石灰化の影響を受けにくい
SPP(皮膚灌流圧)・TcPO₂・
TBI(足趾上腕血圧比)(足の指の血圧で見る/石灰化が進んでいても閉塞病変を評価しやすい)で評価します。
ABIとCAVIの違い
同時に測られることが多いCAVI(心臓足首血管指数)は、ABIとみているものが違います。
ABIは動脈の「詰まり・狭窄」を、
CAVIは動脈そのものの「硬さ(=血管年齢)」を評価します。CAVIは血圧の影響を受けにくいのが特徴です。
どんな人が受けるとよい?
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症のある方
- 喫煙歴のある方
- 歩くとふくらはぎが痛む(間欠性跛行)方
- 家族に心臓病・脳卒中の既往がある方、40歳以上の健康管理
他の下肢虚血の検査
- SPP(皮膚灌流圧):皮膚の微小循環を圧でみる。創傷治癒の見立てに
- 足趾血圧(TP)・TBI:足の指の血圧。石灰化の影響を受けにくい
- TcPO₂(経皮酸素分圧):皮膚から組織の酸素化をみる
- 画像:血管エコー・CTアンギオ・血管造影
これらを組み合わせて
CLTI(重症下肢虚血) の重症度をWIfI分類で評価します。
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出典
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