CHDF(持続的血液濾過透析)とは|原理・設定・適応をわかりやすく解説

CHDF 持続的血液濾過透析のサムネイル 透析
スポンサーリンク
CHDF持続的血液濾過透析(CHDF)

CHDFとは

CHDF:Continuous hemodiafiltration
持続的血液濾過透析
CHDFとは|CHDF(持続的血液濾過透析)
CHDFとは|CHDF(持続的血液濾過透析)
ざっくり整理:CHDFは血液を”拡散(透析)+濾過+吸着”でゆっくり浄化する方法です。拡散だけならCHD、濾過だけならCHF、両方使うのがCHDF。短時間で一気に行う通常の透析(IHD)と違い、長時間かけて緩やかに行うため血圧が下がりにくく、全身状態が不安定な重症患者に向きます。

原理

濾過

膜に圧をかけて、水分ごと溶質を”こし出す”しくみです。分子量2万〜3万程度までの中分子(炎症性サイトカインなど)も除去できます。
濾過|CHDF(持続的血液濾過透析)
濾過|CHDF(持続的血液濾過透析)

拡散

血液と透析液の濃度差を利用して、尿素やクレアチニンなどの小さな分子を膜越しに移動させるしくみです(いわゆる透析の原理)。
拡散|CHDF(持続的血液濾過透析)
拡散|CHDF(持続的血液濾過透析)

吸着

膜の素材そのものに物質をくっつけて取り除くしくみです。膜の種類によっては、サイトカインなどを吸着する能力を持つものもあります。
吸着|CHDF(持続的血液濾過透析)

適応

CHDFは、腎臓の代わり(腎補助)としてだけでなく、敗血症や多臓器不全などで炎症性物質を取り除く目的で行われることもあります。 開始基準に関してのエビデンスは少ないが、報告されている研究では 1乏尿
2尿毒症(高尿素窒素、クレアチニン血症)
3高カリウム血症
4溢水
5代謝性アシドーシス
が一般臨床に即している。

※絶対適応
その他の治療に反応しない
1pH<7.2の代謝性アシドーシス
2カリウム>6.5mEq/Lの高カリウム血症

相対的基準
1乏尿が6~12時間続くもの
2尿毒症(BUN>60~80mEq/L)
3溢水

種類

IRRT (Intermittent Renal Replacement Therapy)
HD HDF HF:短時間で生体腎の何十倍もの効率で浄化する。
CRRT(Continuous Renal Replacement Therapy ) IRRTに対し、大幅に透析効率を落とし、
CHD CHDF CHF: IRRTに対し、大幅に透析効率を落とし、24時間持続緩徐に施行する。
SLED(Sustained Low Efficiency Dialysis)
High flow CRRT :透析効率をIRRTの1/2程度に減らし、2倍の治療時間(8~12時間)で行う。

IRRT(HD)とCRRT(CHD)の効率の違い ※一般的な設定値

HDCHD
血液量(mL/min)20060~100
透析液流量 (置換液量)500ml/min500ml/h ≒8.3mL/min
治療時間(原則)4時間24時間継続
IRRT(HD)とCRRT(CHD)の効率の違い ※一般的な設定値|CHDF(持続的血液濾過透析)
※HDとCHDでの透析液流量は60倍の差がある。

透析膜

持続緩徐式血液濾過器/エクセルフロー AsahiKASEI
キュアフローA CUREFLO-A AsahiKASEI
CH
透析膜|CHDF(持続的血液濾過透析)
製品名エクセルフローヘモフィールSHGヘモフィールCHUTフィルターフロースター
製販元 (販売元)旭化成メディカル東レ (東レ・メディカル)東レ (東レ・メディカル)ニプロJMS (JUNKEN)
膜面積(m2)0.3,0.7,1.0, 1.30.8,1.0,1.30.3,0.6,1.00.3,0.5,0.7, 1.1,1.5*,2.1* *Sシリーズはなし0.4,0.8, 1.1,1.5
膜素材ポリスルホン (PS)ポリスルホン (PS)ポリメチルメタクリ レート(PMMA)セルロース トリアセテート(CTA)ポリエーテル スルホン (PES)
内径(μm)225200200(03のみ240)200200
膜厚(μm)4540301530
PV(mL)26, 47, 69, 9753, 67, 8522, 38, 5820, 35, 45, 65, 90, 12530, 45, 68, 88
滅菌γ線γ線γ線γ線EOG
Wet/DryWetWetWetDryDry

圧力

脱血圧
入口圧
静脈圧
濾過圧
TMP(Transmembrane pressure)

透析(HD)とCHDFの違い

使い分けの目安は、循環が安定した患者や外来の維持透析はHD、循環が不安定な重症・ICUではCHDF、です。
透析(HD)とCHDFの違い|CHDF(持続的血液濾過透析)

基本回路構成

基本回路構成|CHDF(持続的血液濾過透析)

CHDFの必要な機器、薬剤

持続緩徐式血液濾過器
血液浄化装置
血液回路
抗凝固薬
補液

バスキュラーアクセス

利点欠点
内頸静脈圧迫止血が容易
歩ける
固定が不安定
脱血不良になりやすい
大腿静脈アクセスが容易穿刺部位が不潔になりやすい
バスキュラーアクセス|CHDF(持続的血液濾過透析)
バスキュラーアクセス|CHDF(持続的血液濾過透析)

合併症

脱血不良
感染

置換液

サブパック
サブラット Renal replacement therapy
名称NaKCaMgCl重炭酸酢酸ブドウ糖
サブラッドBS14023.51111353.5100
HFソリタ14023.51111353.5100
サブパック14023.51111353.5100
サブラッドBSG14023.51111.5350.5100

凝固薬

Renal replacement therapy
薬剤名メシル酸ナファモスタット低分子ヘパリン未分画ヘパリン
作用機序凝固因子の多段階 抑制、血小板凝集抑 制主に抗Xa作用AT-IIIを介した抗トロン ビン作用
特長半減期が8分と短い出血助長作用は軽 度安価で最も広く使用さ れる
投与量例)5%ブドウ糖液で 溶解し20~40mg/hr で開始例)5~10IU/kg/hrで 開始例)500IU/hr程度で開 始
モニタリング方法ACT? APTT?ACT、APTTは無効APTT、ACT
分子量5404000~60005000~30000
半減期(分)8分120~18060~90
コスト高額安価
注意点アナフィラキシー、高 カリウム血症、顆粒 球減少10IU/kg/hrを超える と出血性合併の可能 性があり、モニタリン グが簡便でない出血増悪、AT-III欠乏 症での効果弱、HITの 発現

保険適用

特定保険医療材料名称機能区分材料価格処置料
持続緩徐式血液濾過器標準型27,000円
(回路含む)
持続緩徐式血液濾過
(1日につき)
1,990点

参考・出典

関連用語

CHF(continuous hemofiltration):持続的血液濾過法
CHD(continuous hemodialysis):持続的血液透析
CHDF(continuous hemodiafiltration):持続緩徐式血液濾過透析法
ECUM(extracorporeal ultrafiltration method):限外濾過
CRRT(Continuous Renal Replacement Therapy):持続的腎代替療法



———————–
透析トップページ
MEトップページ
参考
https://www.asahi-kasei.co.jp/medical/pdf/apheresis/ach_catalog.pdf 添付文書
血液浄化装置 ACH-Σ http://www.hosp.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/2018/09/780047_21900BZX00793000_A_01_11.pdf

エクセルフロー添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/100108/100108_21700BZZ00292000_A_01_08.pdf
エクセルフローカタログ https://www.asahi-kasei.co.jp/medical/pdf/apheresis/excelflo-aef_catalog.pdf
キュアフロー添付文書https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/100108/100108_30300BZX00142000_A_01_01.pdf https://www.asahi-kasei.co.jp/medical/pdf/apheresis/CRRT_document.pdf https://www.jseptic.com/ce_material/update/ce_material_02.pdf

関連記事(透析)

透析トップ(まとめ)シャントエコーレオカーナ

コメント

タイトルとURLをコピーしました