
フィック法の式
CO = 酸素消費量(VO₂)÷(動脈血O₂含有量 − 混合静脈血O₂含有量)・酸素消費量:1分間に肺で取り込むO₂量。
・動脈血O₂含有量:末梢動脈で採血して求める。
・混合静脈血O₂含有量:肺動脈で採血(SvO₂:混合静脈血酸素飽和度)。
血液が多く流れる(CO大)ほど、通過するたびに奪われる酸素が薄まり、動脈と静脈の差(A−V較差)は小さくなります。
熱希釈法との使い分け
・熱希釈法:手技が簡便でベッドサイドで繰り返し測れる。臨床の第一選択。・フィック法:精度が高いが、酸素消費量の測定が必要で手間がかかる。三尖弁逆流や低心拍出など熱希釈法が不正確になる状況で有用。
混合静脈血酸素飽和度(SvO₂)との関係
SvO₂は「全身が酸素を使った後の残り」を示し、低い=供給に対し需要が上回る(CO低下や貧血など)サインになります。フィック法の計算にも、循環の指標としても重要です。参考・出典
・血行動態指標の測定は、日本循環器学会「2025年改訂版 心不全診療ガイドライン|右心カテーテル検査で得られる血行動態指標(103頁)」を参照。数値・手技は標準的な目安で、病態により判断は異なります。実際の測り方(“打ち込む”のではなく採血・光で読む)
フィック法は薬や色素を注入しません。次のように測ります。・混合静脈血:スワンガンツカテーテルを肺動脈まで進めて採血し、SvO₂(混合静脈血酸素飽和度)を測ります。先端に光ファイバーが入った連続SvO₂測定(オキシメトリー)カテーテルなら、反射する光の色からリアルタイムに“読む”こともできます。
・動脈血:末梢動脈から採血してSaO₂を測ります。
・酸素消費量(VO₂):血管ではなく呼気ガス分析(吐いた息の酸素量)で測ります。
つまりフィック法は「注入せず、採血または光で酸素を読む」方法です。



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