ECMO(Extracorporeal Membranous Oxygenation)体外式膜型人工肺

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ECMOとは?

ECMO:Extracorporeal Membranous Oxygenation 体外式膜型人工肺
人工肺とポンプを用いて体外循環回路による治療を行う装置
  循環補助、呼吸補助を短時間で行うことが可能
   心停止、心原性ショック、呼吸不全などに適応

PCPSの定義

経皮的心肺補助法(percutaneous cardiopulmonary support, PCPS)とは、

一般的に遠心ポンプと膜型人工肺を用いた閉鎖回路の人工心肺装置により、大腿動静脈経由で心肺補助を行うものである。
大腿動静脈穿刺法という実際の臨床において多用されている血管穿刺手技と、thin-wallカニューレの開発、そして遠心ポンプを用いた閉鎖回路による補助装置の操作性の簡便さなどから、1つのシステムとして広まってきている。

ただし、経皮的に穿刺せず外科的に切開して鼠径部からカニューレを挿入しても一般的にはPCPSに含まれる。

また、PCPSという名称は日本では統一されているが、同じ装置を使用しても欧米ではpercutaneous cardiopulmonary bypassや、emergent portable bypass systemなどと呼ばれている。

PCPSの適応

心肺停止
心原性ショック
難治性心不全
開心術後低拍出
難治性不整脈
肺血栓塞栓症(PTE)

ECMO回路の基本構成

大腿静脈などの太い静脈から、脱血カニューレを挿入します。
脱血カニューレは、体格等に合わせて太さや⻑さを選びます。
脱血された血液は、遠心ポンプを介して人工肺に送りこまれ酸素化を行います。

酸素化された血液は、送血カニューレから体に戻っていきます。
送血カニューレは大腿動脈などの太い血管から挿入され、脱血同様、体格等に合わせて太さや⻑さを選びます。

経皮的心肺補助装置(PCPS)の管理方法

補助流量は2.0~3.0L/分以上をめやすとする。

平均動脈圧60mmHg以上で尿量が確保できるようにする。
混合静脈血酸素飽和度(mixed venous oxygen saturation:SvO2)は60~70%以上を目標とする。

ヘパリンの持続注入を行い、活性化凝固時間(acceleratedcoagulationtime:ACT)を200~250秒に管理する。

カニューレ

→カニューレについて

回路

遠心ポンプ

ECMOに使用される遠心ポンプの構造と原理
ポンプの中心から入った血液は、中の羽が高速回転することで外側に向かって送り出されます。
ローラーポンプと違い、血液をすりつぶしたりはしないので、血球が傷つきにくく⻑時間の使用に適しているとされますが、前後の負荷によっては同じ回転数でも流量が変動してしまう欠点です。 →遠心ポンプについて

人工肺

細孔を通じて酸素と接触し、拡散の原理を利用して血液を酸素化していきます。

ポンプシステム

流量計(気泡検知器)
温度計
圧力計
タイマー
酸素飽和度計
内蔵バッテリー

経皮的心肺補助装置(PCPS)の合併症

1血栓塞栓症 2空気塞栓 3出血、血腫 4下肢の動脈虚血 5感染症
ECMOとPCPSの違い
ECMO:体外式の膜型人工肺による酸素化 ExtraCorporeal Membran Oxygenation
PCPS:経皮的な心肺の補助 Percutaneous Cardio Pulmonary Support

VA-ECMO=PCPS

V-A ECMOとV-V ECMO

V-A ECMO
・ 静脈から脱血して動脈に返血する
・ 循環補助、呼吸補助が出来る V-V ECMO
・ 静脈から脱血して静脈に返血する
・ 呼吸療法の最終手段として自己肺の機能が回復するまで呼吸補助(酸素化、炭酸ガス除去)を行う
・循環をサポートすることはできない

V-V V-A ECMOの概念

V-V ECMOとは


肺のサポートのみ
CO2の除去と02添加
主要臓器への灌流は自己の心拍出で行われる
静脈圧を維持できる

V-V ECMO利点


動脈カニュレーションの回避
臓器へのネイティブな静脈圧を維持
血栓塞栓は患者の肺で濾過される可能性がある
虚血性肺障害のリスク低減
自己の肺血流の維持

V-V ECMO欠点


直接的な循環補助ができない
Recirculation(再循環)

V-V ECMOの適応


重度のウイルス性および細菌性肺炎
呼吸窮迫症候群(RDS)
新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
喘息発作重積
肺出血/肺挫傷
Recirculation(再循環)
定義:ECMOから患者に送血された直後にECMOの回路に戻る血液の部分
→すでに酸素化された血液が再度脱血されてしまうこと
 多すぎると酸素化効率が低下
 カニューレが良い位置に設置されている場合で平均30%(30~50%以内)


V-A ECMO
静脈から脱血、動脈から送血
直接的に循環と呼吸のサポート
脈圧がなくなる(小さくなる)

V-A ECMO利点
心臓と肺のサポートが可能
V-V ECMOのようなリサーキュレーション(再循環)がない V-A ECMO欠点
頸動脈の喪失(新生児)
脈圧性灌流の減少、喪失
LV distension(左室膨張)
心筋・脳内の酸素供給量を減少
 →ミキシング Mixing(ミキシング)
大腿動脈カニュレーションの場合に発生する
肺機能が低下している場合に発生
動脈血ガスは右の動脈ラインから

検査

PCPS: 経皮的心肺補助(percutaneous cardiopulmonary support) 循環不全に対する心ポンプ機能の補助,心肺停止症例に対する蘇生手段として使用 大腿静脈から血液を脱血

人工肺で酸素加

大腿動脈に血液を送血

PCPSの歴史

1983年Phillipsらは、経皮的挿入可能なカニューレと遠心ポンプを組み合わせた閉鎖回路による人工心肺装置を考案し、心停止例に対し緊急心肺蘇生や循環維持を目的に臨床応用を開始した。
また1988年Vogelらは、送脱血カニューレを外科的に大腿動静脈から挿入し、重症冠動脈疾患に対する経皮的冠動脈形成術施行時の循環補助としての使用を報告した。
この方法ではsupported PTCAと呼ばれている。
本邦でも、1988年頃よりPCPSが広く臨床使用されるようになり、年々使用数が増加してきた。
1991年にはPCPS研究会が発足し、PCPSの普及と成績向上に向けた種々の活動を行ってきたが、その成果とともに装置の工夫改良もあってPCPSの臨床的および基礎研究がますます盛んに行われている。

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参考


https://www.mhlw.go.jp/content/000755781.pdf

https://www.kango-roo.com/learning/3950/ テルモ企業ページ
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