穿刺部の止血法と止血デバイス

PCI
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穿刺部の止血法と止血デバイスについて説明します。

穿刺部の止血法

●用手圧迫
●上肢用止血デバイス
・TRバンド
・とめ太くん
●大腿動脈用止血デバイス
・Angio-SealTM VIP, Evolution
・ExosealTM
・PercloseTM ProGlide, ProStyle

TRバンドの使い方

用手圧迫

穿刺部位の止血に関しては、用手圧迫が基本

上肢に関しては、 様々な圧迫用の補助器具が用いられる
橈骨動脈穿刺部位は、ほぼ問題なく止血される
上腕動脈穿刺後の止血においては、動脈とともに、静脈が圧迫されるため、前腕のうっ血状態となり、痛みを伴うことがあります。
また、弱い圧迫や位置がずれることにより、血腫を作成してしまうとコンパートメント症候群を生じうるので、注意が必要

大腿動脈穿刺後の止血においては、止血完了後も体動に伴い再出血することがあるので、数時間の安静が必要となるため、患者の苦痛を伴います。
改善策として、いくつかの止血用デバイスが用いられます。
止血用デバイスの使用に関しては、十分な知識とトレーニングが必要

上肢用止血デバイス

橈骨アプローチの場合は、TRバンドを巻いて気圧を上げて抑えるということで、TRバンドをよく用います。 3Frが大体1mm、5Frの診断カテでは径が2mm弱、7Fr、8Fr などのPCIでは2mmを超えます。
シースの抜去後の出血が止まらないと、腫れ上がったり、重大な合併症を起こすリスクがあります。
こういった点からも、橈骨アプローチというのが勧められ、 しっかりと止血するということが大事な工程になります。

大腿動脈用止血デバイス

・Angio-SealTM VIP, Evolution
・ExosealTM
・PercloseTM ProGlide, ProStyle

エクソシール

PercloseTM ProGlide, ProStyle

止血関連合併症

皮下血腫
後腹膜血腫(大腿動脈)
仮性動脈瘤
動静脈瘻
側枝血管損傷
(上腕)正中神経麻痺
血管迷走神経反射
橈骨動脈閉塞
止血デバイス関連:感染、下肢虚血

合併症の原因と予防

後腹膜血腫:
鼠径靭帯より高い位置での穿刺、後壁を貫く穿刺による。 適切な位置での穿刺、前壁穿刺を行う。

仮性動脈瘤:
不完全な止血による。なるべく細いシースを用いる、 確実な止血を行う。

動静脈瘻:
動静脈の二重穿刺。大腿動脈穿刺では低すぎない位置での 穿刺を行う。上腕動脈穿刺ではエコーガイドにて行う。

側枝血管損傷:
盲目的ガイドワイヤー操作によるワイヤーの迷入が原因となる。 透視による確認を行う。

(上腕)正中神経麻痺:
出血によりコンパートメント症候群を生じる。確実な止血と、 止血中でもしびれを訴えた場合は早期対応が必須。

橈骨動脈閉塞:
シース径が橈骨動脈径に対し大きい場合、⻑時間の高圧による 止血、橈骨動脈けいれんなどが原因となる。
コンパートメント症候群の症状5P
疼痛pain
蒼白paleness
脈拍消失pulselessness
感覚異常 parestesia
麻痺paralysis

→穿刺部位について
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参考


パークローズ アボット
https://www.cardiovascular.abbott/jp/ja/hcp/products/endovascular/perclose-proglide-suture-mediated-closure-system.html
エクソシール カネカ
https://www.kaneka-med.jp/medicalstaff/products/1_intervention/1_cerebrovascular/5_hemostatic-device/1_exoseal/

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