IVUS(血管内超音波)とは|わかること・造影やOCTとの違いを図解

IVUS 血管内超音波 PCI
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IVUS(血管内超音波)は、カテーテルの先端についた超音波プローブで血管を内側から360°見る検査です。造影(血管撮影)が血管内腔の「シルエット」しか写せないのに対し、IVUSは内腔の広さ・プラークの量や性状・血管の本当の太さまで断面で捉えられます。PCIでステントを最適に入れるための“目”です。
IVUSで見える血管の断面(内腔・プラーク・血管壁)

IVUSでわかること

血管の本当の太さ(径)=入れるべきステントのサイズ選び。
プラークの量・性状(やわらかい/石灰化か)=前処置(ロータブレーター等)の要否。
ステント留置後の圧着・拡張=血管壁にしっかり貼りついているか、広がりが足りているか。

造影(アンギオ)との違い

造影は造影剤で血管の「影絵」を写すので、壁の中のプラークや本当の血管径は見えません。IVUSは内側から実測するため、造影では過小評価しがちな病変やステントの拡張不良を客観的に評価できます。両者は補い合う関係です。

IVUSとOCTの違い

同じ「血管内をみる」検査でも、IVUSは超音波OCT(光干渉断層法)は近赤外光を使います。OCTは解像度が非常に高く細部(ステントストラットや解離)が鮮明ですが、血液を除くため造影剤フラッシュが必要で深達度は浅め。IVUSは深く見え、造影剤を抑えたい場面でも使いやすいのが特長です。

臨床での意味

IVUSガイド下のPCIは、造影のみに比べてステントの拡張・圧着不良を減らし、再狭窄やステント血栓症のリスクを下げることが示されています。特に左主幹部・長い病変・慢性完全閉塞(CTO)など、失敗が許されない病変で価値が高い検査です。

より詳しく:IVUSの構造と種類

 

特徴

  IVUS はカテーテル先端の振動子から超音波信号を発射し,冠動脈壁で反射する超音波信号を電気信号に変換した上で冠動脈の血管断面構造を描出するものである.機械 走査式と電子走査式に大別され,機械走査式では単一の 振動子がカテーテル内を高速で回転することにより 360 度 方向の画像を構築する.電子走査式は複数の超音波振動子をカテーテル先端部に円周上に配置し,それぞれから超 音波を発生させ 360 度方向の画像を得るものである.一般 に,機械走査式は発振周波数が高く(40~60 MHz)高解 像度であるが,探触子がカテーテル中で回転するため,蛇 行血管では回転ムラ(NURD)によって画像が歪むことが ある.電子走査式は,回転する部分がないため蛇行血管で NURDが生じることはないが,20 MHzと周波数が低く画像解像度に劣る.いずれの IVUSもセンサー部分が病変部 を越えるまでカテーテルを進めた後,モーターを用いて一 定速度(0.5~1.0 mm/秒)で引き抜き(プルバック)ながら 血管断面情報を採取する. 最近では探触子に高周波数(60 MHz)を採用し,撮像フレームレートを増加させることにより,高解像度で高速 プルバック(9.0 mm/秒)が可能なIVUSが主流になりつつある 672).一般に,IVUSは後述の OCTと比較し,画像解像度は劣るが,十分な信号深達度を有し冠動脈壁全層の 評価に適するという利点を有している.

意義

  冠動脈壁は内腔側から内膜・中膜・外膜の 3 層構造を呈 する.IVUS は,健常の内膜を描出することは困難である が,動脈硬化病変では冠動脈プラークを内膜の局所的肥厚 として描出する.実際の観察では内膜と中膜の境界は明ら かでないことが多く,プラーク断面積は,中-外膜境界を トレースしてそこから内腔面積を引いた値(内膜面積+中 膜面積)となり,内膜中膜複合体(IMC)と呼ばれる.病 変内で狭窄がもっとも強い部分での断面積を最小血管内腔 面積(minimum lumen area: MLA)とよぶ.冠動脈プラー クは,IVUS のエコー輝度によりソフトプラーク,ハードプ ラークに分類されるが,実際の硬度や組織性状との相関は 高くない.最近では,超音波信号を病理学的所見と対比させ,種々のアルゴリズムで解析することによって IVUS 画 像上で各組織性状を色別で表示して,冠動脈組織性状を推測できるようになった(virtual histology IVUS[VH- IVUS]: Volcano 社,integrated backscatter IVUS[IB- IVUS]: テルモ社,iMAP: Boston Scientific社)674).一方 で,石灰化病変はエコー輝度が高く,後方に音響陰影を伴 うという特徴を示すため,高い感度・特異度(90%以上) で判別が可能である.また,石灰化を伴わないにもかかわらず後方に音響減衰を伴ったプラークを attenuated plaque と呼び,PCI後にno reflow/slow flowを引き起こしやすい 病変として特徴づけられている 675, 676).さらに近年,近赤 外分光法(near-infrared spectroscopy: NIRS)を用いてコ レステロールエステルに富む脂質コアプラーク(lipid core plaque: LCP)の検出が可能なシステムとIVUSを組み合わ せた NIRS-IVUS(Infraredx 社)が開発され臨床応用され ている 677).このような組織性状評価に基づいた治療戦略 が症例の予後改善につながることが示されれば,今後さらに IVUS が活用されていくと予想される. 一方,IVUS は冠動脈ステントのサイズや長さの決定にも有用である.冠動脈内腔径に加えて血管リモデリングも 加味した血管径の評価は,バルーンやステントのサイズ決定に重要である.従来から IVUS で測定した遠位参照血管の血管外径(中-外膜境界)に 0.8 ~ 0.9 を乗じたサイズを選ぶ方法が広行われてきた.最近では後期内腔損失が少ない DES が主流となり,血管内腔径を参考に留置ステント径を決定することも多くなっている.ただし,病変部が陰性モデリングしている場合には,参照血管径のみを参考にすると冠動脈穿孔のリスクがあり注意が必要である.また, 病変近位部および遠位部の残存プラーク量を評価することでステント長の決定,さらに冠動脈血腫や穿孔などの合併症の予測や検出にも有用な情報を提供してくれる. 最近では IVUS ガイド PCI の臨床的有用性を示す観察研究,メタ解析,さらに RCTの結果が数多く報告されている.とくに病変長の長い病変や慢性完全閉塞病変を対象にした IVUSガイド PCIの有用性が示されており,RCT に限定したメタ解析においても,IVUS ガイド PCI は冠動脈造影単独と比較して主要心血管イベント,とくに標的血管再血行再建を有意に減少させることが示唆されている. 冠動脈診断検査 PCIトップページ   MEトップページ

参考・出典

・日本循環器学会ほか「安定冠動脈疾患の血行再建ガイドライン(2018年改訂版)|血管内エコー(IVUS)(76頁)」(血管内イメージングの推奨)
数値・適応は標準的な目安で、施設・病態により判断は異なります。
・メーカー公式(例):ボストン・サイエンティフィック「超音波イメージングシステム(IVUS/OptiCross™)」(医療従事者向け)

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