FFR

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FFRについて

FFR(fractional folow reserve)

FFRとは
狭窄の機能的重症度を表す指標

冠血行再建の適応を決定する際に用いられている
その時点の狭窄重症度を表すものであり,その後の病変の進行・ 不安定化を予測するものではない

しかしその一方で,慢性安定冠動脈疾患においては,FFR により虚血陰性が証明された病変のその後のイベント発生は少なく,予後は良好であることが報告されている.



FFR 測定の目的

1)冠動脈狭窄が心筋虚血の原因になるか否かの判断
2)冠血流低下の程度の評価
3)冠動脈血行再建術の適応判定および適切な治療方法の選択
4)予後予測
5)冠動脈血行再建術による冠血流の改善の程度の評価

適応

FFR は他の心筋虚血診断法を用いて虚血評価がされていない,もしくはされていても心筋虚血の診断が判然としない冠動脈狭窄が適応となる.

おもには冠動脈造影上の中等度狭窄病変(30 ~ 70%狭窄)が良い適応となるが , 軽度狭窄であっても FFR が陽性になる場合,反対に高度狭窄であっても FFR が陰性になる場合があり,軽度狭窄や高度狭窄においても心筋虚血診断が判然としない場合には,安全に計測できる限り FFR を測定してもよい.

また,連続性病変やびまん性狭窄病変は,冠動脈造影での狭窄が軽度であっても,冠動脈枝に存在する冠動脈プラークが総和として有意な冠血流障害を引き起こす可能性があり,FFR測定のよい適応と考えられる













最大充血の薬
ATP(アデノシンⅢリン酸)
塩酸パパベリン
ニコランジル
カットオフ値


FFR により得られる狭窄の機能的重症度は,病変自体の解剖学的な要素(内腔面積・病変長・病変形態)のみでなく,通過血流量すなわち灌流領域の広さ,側副血行血流の程度,冠微小循環障害・心筋病変の存在など多くの因子の影響を受けている.

より低い FFR 値は,より虚血が重症であることを表している.冠血行再建を含むイベント発生を予測する FFR 値は 0.80 程度であるが,死亡・心筋梗塞というハードイベントを予測する値はFFR 0.50~0.65とより低値と考えられている.



また ,ステントによる血行再建(PCI)後の約15~20%にも,FFRの改善不良例が存在し,PCI 施行後の予後が不良であることが報告されている.

FFR改善不良は,ステントの拡張不良,ステント端の解離など病変部の問題のほか,病変がびまん性に存在していることにも起因する.左前下行枝の病変に多く,CKD との関連も報告されている .

冠動脈の解剖学的開存とは独立して,予後不良を予測する可能性がある.ステント留置後の FFR 値 は,ステント留置前の FFR 値と相関を示すことも報告されており,治療前の FFR 低値はステントによる血流改善 不良の予測因子の一つと言える.


冠動脈3枝の FFR値(3V-FFR)を用いて,機能的心筋虚血総量を求めることができる.

3枝において FFR を計測し,その総和として 3V-FFR を求めることにより,冠動脈プラークの広がりを,定量的に評価するものである.虚血を示す FFR とは独立した予後予測因子となりうるとの報告がある.


FFR は臨床的に広く用いられているが,侵襲的検査でありその使用は限定される.

近年,PETを用いた CFRの評価が可能となり,予後予測にも用いられる.

FFR と CFR の虚血評価の結果が乖離する症例が約 30%存在することも示されているが,とくに FFR が良好であっても,CFR が低値を示す症例にはびまん性病変や微小循環障害の存在が関与し,予後が不良であることが報告されている. 慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2018_yamagishi_tamaki.pdf
参考
https://www.dicardiology.com/article/ffr-and-ifr-diagnosis-and-treatment-heart-disease

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