輸血副作用の要点

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輸血副作用について

輸血副作用

移植片対宿主病(GVHD: graft versus host disease)は輸血されたリンパ球が体内で増殖し患者のHLA(ヒト白血球抗原)を異物と認識して、特に皮膚、肝臓、消化器、骨髄などを攻撃する。輸血後1−2週で発熱、下痢、黄疸など出現し、汎血球減少、免疫不全で死に至る。発症したら有効な治療法はないが、放射線照射によりリンパ球を不活性化させた放射線照射輸血用血液を使用することで予防できる。そのため日本赤十字社の輸血用血液ではリンパ球混入の可能性のある血液製剤にすべて放射線照射がなされている。
GVHDは同種造血幹細胞移植(骨髄移植など)でも起こる。輸血と同様にドナーのリンパ球がレシピエントを異物と認識して攻撃する。皮膚炎、肝機能障害(黄疸)、下痢などがみられるが、移植された骨髄への免疫反応はないため骨髄抑制による汎血球減少はみられない。主に移植後100日以内に発症する急性GVHDは重篤であるが、慢性GVHDの症状は比較的軽い。予防はHLAの一致するドナーを選ぶことと免疫抑制剤の投与である。治療にはステロイ薬を用いる。 臨床医学総論
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