血糖管理

血糖コントロールについて

血糖コントロール目標

 

目標 血糖正常化を目指す際の目標 合併症予防のための目標 治療強化が困難な際の目標
HbA1c 6.0 7.0 8.0
GA 16.0 20.0 24.0

 

透析患者

 

目標 心血管イベント既往歴がない患者 心血管イベント既往歴を有し、低血糖傾向がある患者
GA 20.0 24.0

 

血糖コントロールの意義と指標・目標値

 

透析開始前の随時血糖値(透析前血糖値)およびグリコアルブミン(glycated albumin:GA)値を血 糖コントロール指標として推奨する.
ヘモグロビン A1c(HbA1c)値は貧血や赤血球造血刺激因子製剤の影響により低下し,透析患者の血糖コントロール状態を正しく反映しないため参考程度に用いる.
随時血糖値(透析前血糖値;食後約 2 時間血糖値)180∼200 mg/dL 未満,GA 値 20.0%未満,また, 心血管イベントの既往歴を有し,低血糖傾向のある対象者には GA 値 24.0%未満を血糖コントロールの暫定的目標値として提案する.しかし,確定値の設定には今後の研究成果を待つ必要がある.
低血糖のリスクを回避しつつ,生命予後の向上を目指して随時血糖値(透析前血糖値),GA 値などを総合的に判断しながら,血糖コントロールをする必要がある.

 

血糖値管理指標の測定頻度

 

インスリン製剤を使用中の場合,透析開始前の随時血糖値(透析前血糖値)と透析後の随時血糖値を 毎回測定することを推奨する.
経口血糖降下薬を使用中の場合,透析前血糖値を週 1 回測定することが望ましい. &.上記薬物療法を使用せずに血糖が良好にコントロールされている場合においても,透析前血糖値を最
低 1 か月に 1 回測定することが望ましい.
GA は 1 か月に 1 回測定することを推奨する.
非糖尿病患者においても,最低 12 か月(1 年)に 1 回透析前血糖値および GA を測定することを推奨する.

 

透析液ブドウ糖濃度

 

インスリン治療中の糖尿病透析患者では,透析前血糖値が高い場合,血糖値と透析液間のブドウ糖濃 度較差が大きくなり,透析中に血糖が急速にしかも著明に低下する可能性がある.
透析中の血糖値の低下が大きいと,透析終了後に血糖値の上昇が惹起(透析起因性高血糖)されるこ とがあり,透析後の高血糖防止には,透析中の血糖値の変動を少なくするために,比較的高いブドウ 糖濃度の透析液を使用するなどの対策が望ましい.

 

血液透析施行中の高血糖,低血糖への対処

血液透析開始時の高血糖

 

透析開始時に 500 mg/dL 以上の著明な高血糖を認める場合には,2∼4 単位の超速効型インスリンを 皮下注射することを検討する.その際 2 時間後に血糖値を再検し,透析中 100∼249 mg/dL の血糖値を目標とし,インスリン注射による急激あるいは過度の血糖低下(100 mg/dL 未満)を起こさないように注意する.
600 mg/dL 以上の血糖値を認める場合には,糖尿病性ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis: DKA)の合併を考慮し,血液ガス分析および血清カリウム測定,さらに施設によって可能であれば血中ケトン体の測定を行う.DKA と診断された場合には,緊急入院の上治療を行う.
上記のような高血糖がしばしばみられる場合には,糖尿病治療の見直しが必要である.

 

血液透析前後の低血糖

 

血液透析開始時に血糖値 60 mg/dL 未満,あるいはそれ以上でも明らかな低血糖症状を認める場合に は,緊急の処置を要する.
経口摂取が可能な場合には,5∼10 g のブドウ糖を摂取させる.経口摂取が不可能な場合には,50% グルコース注射液 20 mL(10 g ブドウ糖含有)を透析回路静脈側より 1 分間程度で注入する.
以後 30 分あるいは 1 時間おきに血糖値を測定し,再度血糖値 60 mg/dL 未満の場合は上記の処置を 繰り返す.
血液透析終了時に上記低血糖を認めた場合には,同様の処置を行い,血糖値の上昇を確認した上で, 透析回路を離脱する.
上記のような低血糖がしばしばみられる場合には,糖尿病治療の根本的な見直しが必要である.

 

 

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