食事摂取基準エネルギー量

食事管理

 

エネルギー量

エネルギー摂取過剰では肥満となり不足ではるい痩 を招く.身体のエネルギー摂取量と消費量の均衡がと れていればエネルギー出納はゼロとなり体重(透析患 者ではドライウエイト)の増減はきたさない.このよ うなエネルギー出納がゼロとなる確率が最も高くなると推定される,推定エネルギー必要量とは習慣的なエ ネルギー摂取量の 1 日あたりの平均値と定義されている.推定エネルギー必要量を求めるには,基礎代謝 量(basal energy expenditure:BEE)と身体活動レ ベル(physical activity level:PAL)から下記により 算出するのが一般的である.侵襲のある場合はこれに ストレス係数を乗じて算出する.
推定エネルギー必要量(kcal/day)=BEE(kcal/day)×PAL 係数 ………………………………(1)
健常者においては,日本人の BEE を測定した多く の報告にもとづいて,体重 1 kg 当たりの BEE の代表 値が求められ,これを基礎代謝基準値と呼び,表 1 の ように示されている2).基礎代謝量は実測するのが理 想であるが,測定は容易ではなく,また個人内でも変 動するために基礎代謝基準値から下記により算出して 利用することが臨床上では現実的である. BEE(kcal/day)=基礎代謝基準値(kcal/kg/day)×基準体重(kg)…………………………(2)
PAL は,身体活動量の指標であり,身体活動にとも なうエネルギー消費は食事誘発性体熱産生の影響も受ける. 慢性透析患者の安静時エネルギー代謝量を検討したこれまでの研究報告では,健常者の安静時エネルギー 代謝量と同等であるとするもの,高値であるとするも の,低値であるとするもの,またさらに合併病態によ り異なるとするものなどさまざまであり一定していない.さらに,保存期腎不全・慢性透析患者におけ る身体活動にともなうエネルギー消費量や食事誘発性 体熱産生,ストレス係数についての研究報告は見当た らない. これらのことから現時点での臨床現場での対処として,慢性透析患者の食事エネルギー量を最初は健常者 で示されている値にもとづいて年齢,性別,身体活動 レベルを勘案して処方し,食事指導後は患者の体重変 化などを観察しながら適正量となっているかを経時的 に評価しつつ調整を加えることを推奨する.慢性透析 患者では肥満よりもるい痩のほうが強い予後不良要因 とされているため,エネルギー摂取不足には細心の注 意が必要である.以上を考慮すると,外来維持透析 患者では標準体重(body mass index=22 の体重)を 基準とした推定エネルギー必要量(kcal/kg/day)は 多くの場合 30~35 kcal/kg/day となる.糖尿病を合併している場合は本学会の血液透析患者の糖尿病治療ガイドに準じて適宜エネルギー制限を行う.また 腹膜透析患者については本学会の2009 年度版腹膜透析ガイドラインに 30~35 kcal/kg/day(標準体重) が示されており,これを改訂する根拠となる臨床研究は少ないので,これを踏襲した.

 

 

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