SPP(皮膚灌流圧)とは|数値の目安・ABIとの違い・WIfIとの対応をわかりやすく解説

透析
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SPP(皮膚灌流圧、Skin Perfusion Pressure)は、足の皮膚表面の「血のめぐり」(微小循環)がどれくらい保たれているかを、圧(mmHg)で測る検査です。数字が大きいほど血がめぐっている=傷が治りやすい、と考えます。糖尿病や透析でABIが当てにならないときに特に役立ちます。

どうやって測る?

足にカフ(帯)を巻いていったん皮膚の血流を止め、ゆっくり圧を下げていき、血流が”再開”した瞬間の圧を読み取ります。これがSPPです。血流の検出にはレーザードップラー血流計を使います——皮膚にレーザー光を当て、動いている血球からの反射のわずかなズレ(ドップラーシフト)で血流をとらえます。レーザーが届くのは皮膚から数mmなので、皮膚の毛細血管レベルの血流(微小循環)をみています。国内では、SPP測定装置はカネカのSPP-K1(皮膚灌流圧測定装置)が標準的に使われています。
皮膚灌流圧測定装置 SPP-K1(写真:カネカメディックス)

数値の目安(傷が治るかの見立て)

ガイドラインでは、SPPが30〜40mmHg未満だと創傷治癒の可能性は低いとされます。逆にSPPが40mmHg以上あれば、潰瘍の治癒率は98%以上が期待できると報告されています。40mmHgがひとつの分かれ目です。
SPPの目安(創傷が治るか)30未満重症虚血30〜40未満治癒しにくい40以上治癒が期待できる(治癒率98%以上)40mmHg単位:mmHg。実際は創傷の程度・感染・全身状態(WIfI分類)と合わせて判断します。
図:SPPの数値の目安(40mmHgが治癒のひとつの分かれ目)

どんな人に受ける検査?

  • 糖尿病で足の潰瘍・壊疽のリスクがある方
  • 手足の傷(潰瘍)が治りにくい
  • 下肢の血管手術(血行再建・EVT)後に血流の回復を確認したい方
  • 動脈の石灰化で ABI が当てにならない透析・糖尿病の方

ABIとの使い分け

下肢の虚血を調べる定番は ABI(足関節上腕血圧比) ですが、糖尿病や透析の患者は動脈の石灰化でABIが実際より高く出て、虚血を見逃すことがあります。SPPは石灰化の影響を受けにくく、しかも足のどの部位でも皮膚レベルの血流を評価できるのが強みです。

WIfI分類(重症度)との関係

CLTI(重症下肢虚血)の重症度評価に使う WIfI分類 では、虚血(Ischemia)をSPPで次のように段階分けします(カネカ SPP-K1のWIfI準拠分類)。数字が小さいほど血流が保たれ、大きいグレードほど重症です。
虚血グレードSPP意味
0≧50 mmHg血流は保たれている
140〜49 mmHg軽度の虚血
230〜39 mmHg中等度(治癒しにくい)
3<30 mmHg重症虚血
創傷治癒の目安である「SPP 40mmHg」は、ちょうどグレード1と2の境目にあたります。血行再建が不適応なASO潰瘍に使う レオカーナ の適応も、この虚血の重症側(おおむねグレード2〜3)にあたります。

測定のポイントと保険算定(CEの関わり)

体位・保温・安静で値が変わるため、安定した室温の環境で安静にして測定条件をそろえることが大切です。臨床工学技士(CE)はこの測定や、血行再建(EVT)の周辺で関わります。 診療報酬では、SPP測定は「D207 体液量等測定」として100点で算定します(2箇所以上の測定は一連につき2回まで)。また、ABI 0.7以下、またはSPP 40mmHg以下の患者は、下肢末梢動脈疾患指導管理加算の観点から、専門的な治療体制のある医療機関への紹介が推奨されています。

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出典

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