アプローチ部位(穿刺部位)
カテーテル治療アプローチ血管として用いるためには・動脈がなるべく皮膚表面に近い部位を走行していること
・検査・治療後の止血のために、動脈後面に硬い組織、すなわち骨などが存在すること
・神経・静脈などとの 距離が離れていること
などが条件となります。
一般的に使われるのは、橈骨動脈、上腕動脈、大腿動脈の3つがあげられます。 ・橈骨動脈
・大腿動脈
・上腕動脈
(・遠位橈骨動脈)
橈骨動脈(Radial artery)
メリット7Fr相当までのデバイス、物品が使用できる
止血が容易
上肢穿刺のため治療後の安静時間が短い
出血リスクも低い
デメリット
使用可能なデバイスが限られる
蛇行が強い場合,手技困難
稀に橈骨動脈が閉塞
大腿動脈(Femoral artery)
メリット血管が太いので8Fr以上のシースが使用できる
様々な太いデバイス、物品を使用できる
(8Frは約2.7mm)
デメリット
出血性のリスクが高い(止血が大変)
術後数時間、安静臥床が必要(患者さんはベッド上から移動できない) 総腸骨動脈は、内腸骨動脈を分枝した後、外腸骨動脈として大腿骨頭前面に向けて走行し、鼠径靱帯を通過し大腿動脈となります。
その後すぐに、深大腿動脈を分枝して、浅大腿動脈となります。 大腿動脈穿刺部位は、大腿骨頭部で行います。
皮膚穿刺は、そのやや下部、大腿骨頭下縁から行います。
鼠径靱帯より頭側は、骨盤腔内となり、圧迫止血が不可能となるため、必ず鼠径靱帯より尾側で、血管に到達する必要があります。
そのため、まず鼠径靱帯の確認が必要です。
前上腸骨棘と恥骨結合を確認し、その間をつなぐ鼠径靱帯を、皮膚上より触れて確認します。
皮膚の皺線とは一致しないので、注意が必要です。
鼠径靱帯の下縁から、 1から3cm下方で穿刺しますが、わかりづらい場合には、透視を使って大腿骨頭を確認することが重要です。
上腕動脈(Brachial artery)
メリット橈骨動脈と同様に上肢の穿刺のため治療後の安静時間が短い
デメリット
動脈の近くに正中神経があるので穿刺の際に神経障害を起こす可能がある
出血合併症を起こしたとき,神経損傷やコンパートメントなどのリスクが高く,学会などでも優先的に選択すべきでないとされている
静脈カテーテルの穿刺部位
中心静脈カテーテル、スワンガンツカテーテル、カテーテルアブレーションなどで穿刺します。→止血デバイスについて
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