特殊バルーン

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特殊バルーンについて

特殊バルーン

 

薬剤塗布バルーン

薬剤塗布バルーン(DCB)は脂溶性の高い薬物(パクリタキセル)をバルーン表面から血管壁への短時間の接着に より浸透させるデバイスである.バルーンの種類によって 成績に差はあるものの,ステント内再狭窄には有効である との報告が多い.BMS の再狭窄に対する有効性は POBA より高く,新世代 DES のステント内ステント留置と同等で あるが,冠動脈造影上の遠隔期内腔損失(late lumen loss) については DES には及ばないと報告されている 435, 895).一 方,DES 留置後の再狭窄に対する DCB の有用性は一様で はなく,少なくとも遠隔期内腔損失に関して DCB が新世代 DESよりも優れるという報告はない.予後に関しても, 観察期間や症例数の点から十分な統計学的検出力を有す る研究は存在しないが,ネットワークメタ解析によって, 新世代 DES および DCB は再血行再建に関して同等であっ たと報告されている 896, 897).DCB の小血管に対する有効性 も示唆されており,3 mm 未満の小血管新規冠動脈病変に 対しても DCB の使用が可能である.

カッティングバルーン

カッティングバルーンカテーテルは通常の POBA で拡張 しにくい部分の血管内狭窄部の拡張を行うことを目的とし て使用される.バルーン表面にはバルーンの長軸方向に平 行にブレード(刃)が 3 枚または 4 枚取り付けられている. バルーンを加圧・拡張するとバルーンの中に折り込まれて いるブレードが表面に現れ,プラークに押し付けられて切 り込みを入れることが可能となる.このため低圧力で標的 病変を拡張することができる.大きな冠動脈解離を作るこ となく狭窄部を開大しうるが,冠動脈穿孔のリスクがある. 解離が生じた場合に内膜を切断し,偽腔から真腔へのリエ ントリーを作製することも可能である.
本邦のエビデンスにはBMS留置前のカッティングバルー ン使用の意義を検討した REDUCE III試験がある 898). IVUS ガイドでカッティングバルーンを使用後に BMS を留 置した群の再狭窄率は 6.6%で,造影ガイドでカッティン グバルーン使用後に BMSを留置した群の再狭窄17.9%, IVUSガイド下バルーン血管拡張後の BMS群の 19.8%, 造影ガイド下バルーン血管拡張後 BMS 群の 18.2%に対し, 著しく良好であった.このように IVUSガイド下カッティ ングバルーンによる病変前処置の有用性が示されている.

スコアリングバルーン

スコアリングバルーン(アンジオスカルプト® バルーンカ テーテル,ラクロス NSE® バルーンカテーテル)は,冠動 脈穿孔のリスクを軽減しつつカッティングバルーンと同じ 機能をもたせるように,表面にブレードではなくワイヤー などのエレメントを装着したバルーンである.通常型バ ルーンカテーテルでは拡張時にスリッピングなどを起こし て十分な拡張が得られないと想定される病変に対し良好 な拡張が期待できる.

パーフュージョン型バルーンカテーテル

パーフュージョン型バルーンカテーテルは,バルーン開大時にも冠血流を確保し,長時間の病変開大を可能にしたバルーンである.冠動脈穿孔時に冠血流を保ちながら止血 するときに用いる.パーフュージョンマーカーまでガイドワイヤーを抜去しておくとバルーン先端部への血流維持効果が大きくなる.

 

 

 

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