人工肺の要点

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柱は多孔質膜と均質膜の違い外部灌流型と内部灌流型の違い、そしてPaO₂とPaCO₂を何で調節するかの3つです。 → 人工肺の過去問と解説

① 多孔質膜と均質膜(複数年で出題)

項目多孔質膜均質膜
構造微細な孔が開いている孔がない
血液と酸素ガスの接触微細孔で直接接触する直接接触しない
長時間使用時の血漿漏出起こる起こらない
使用頻度多い少ない
最大の注意点は血漿漏出がどちらで起こるかです。起こるのは多孔質膜——孔が開いているから、長時間使ううちに血漿が漏れ出るという理屈です。「均質膜では長時間使用すると血漿漏出が起こる」は誤りの選択肢として繰り返し出ます

孔があるかないかから、接触するかしないか漏れるか漏れないかも両方導けます。構造を1つ覚えれば、残りは考えて出せる形です。

② ポリプロピレン多孔質膜の数値(第29回午前70)

項目正しい内容誤りの選択肢として出る形
物質移動係数シリコーン均質膜より高い—(これが正解)
親水性・疎水性疎水性「親水性である」
膜厚25μm「200〜400μm」
微細孔の大きさ0.05μm(50nm)「10〜30nm」
気体透過係数シリコーンより低い「シリコーンよりも高い」
気体透過係数と物質移動係数で向きが逆になるのが、この設問の難しいところです。材料そのものの気体の通しやすさ(気体透過係数)はシリコーンのほうが上ですが、孔が開いていて膜が薄い分、実際の物質移動はポリプロピレン多孔質膜のほうが速い——材料の性質と、膜としての性能は別と分けて覚えます。

あわせて使われる膜は疎水性・中空糸膜・ポリプロピレンやシリコーン製という点も繰り返し出ます。「親水性」「ポリエチレン製」は誤りです。

③ 外部灌流型と内部灌流型(第29回68・第32回70)

項目外部灌流型
血液が流れる場所中空糸の外側
血流乱流になる(層流は誤り)
圧力損失内部灌流型より小さい
落差脱血適している
使用頻度内部灌流型より多く用いられる
「血液の流れは層流になる」は誤り——外部灌流型では乱流になります。中空糸の束の外側を縫うように流れるので、まっすぐな層流にはならない——構造から導けます。そして乱流になることでガス交換が進むので、これは欠点ではなく特性です。

④ PaO₂は酸素濃度、PaCO₂はガス流量(第29回68)

調節の対応はたすきに組む形になっていて、入れ替えた誤りの選択肢が定番です。

PaO₂の調節 → 吹送ガスの酸素濃度
PaCO₂の調節 → 吹送ガスの流量

したがって「吹送ガス流量を増やすとPaO₂は上昇する」も「酸素濃度を上げるとPaCO₂は低下する」も、どちらも誤りです。2つとも対応が入れ替わっています

理屈でつなぐと、酸素は濃度を上げれば血液に多く溶ける=O₂は濃度で決まる二酸化炭素はガスで洗い流す量が問題なので、流量を増やすほど多く運び去れる=CO₂は流量で決まる——という関係です。

あわせて気泡型人工肺のほうがタンパク変性が生じやすい(膜型より血液が直接ガスに触れるため)という比較も出題されています。

関連:血液ポンプの要点

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