細かい各論(RF設定・心内電位・PVIなど)はリンク先にまとめています。
流れ
アブレーションは、不整脈の“起点”や“回路”を同定し、必要な部位に線/点の病変(lesion)を作って伝導を断つ治療。MEの価値が出るのは、①接続の正確さ ②通電中モニタの読み取り ③異常時の止めどき ④安全な流れ作り。
このサイト内の順序
全体の流れ(術前→術中→術後)
1) 術前(入室前〜準備)
- 患者情報:不整脈タイプ、抗凝固、既往(脳梗塞・出血)、腎機能、造影アレルギー
- 機器:記録装置、刺激装置、3Dマッピング、アブレーションジェネレータ、イリゲーション、食道温(左房系)
- 消耗品:対極板、パッチ、シース、カテ、止血デバイス、ヘパリン等(施設運用に合わせる)
2) 術中(EPS→ABL)
- カテ挿入・留置(HRA/HIS/CS/RVなど)
- 誘発・診断(EPS)
- ターゲット同定(電位・マップ・誘発反応)
- 通電(RF / Cryo / 施設によりPFAなど)
- 成功判定(ブロック確認、再誘発、マップで評価)
3) 術後(止血→観察→退室)
- 止血(圧迫/止血デバイス)・穿刺部観察
- 合併症の早期発見(タンポナーデ兆候、神経、塞栓、出血)
- 帰室基準・指示の確認(施設プロトコル)
“何を見て、何を操作するか”
MEが主に握る4点
- 接続・ルーティング:記録/刺激/ジェネレータ/マッピングのつなぎ間違いゼロ
- 通電モニタの監視:温度・インピーダンス・接触圧(CF)・イリゲーション
- 異常時の止めどき:危険サインを見逃さず、止めて確認へ
- 再現性のある運用:チェックリスト化、トラブル時の切り分け
ざっくりの構造(診断→治療)
EPS(診断)
- “何が起きているか”を、刺激と心内電位で確かめる
- 目的:不整脈の機序(リエントリー/自動能/トリガー)と回路の必須部位を絞る
ABL(治療)
- 回路を断つ/起点を潰すためにlesionを作る
- 目的:再発しない“阻止線”や“焦点消失”を作る
よく出るターゲット
- AVNRT:遅伝導路(slow pathway)
- AVRT:副伝導路(Kentなど)
- 典型心房粗動(AFL):CTI line
- AF:PVI(肺静脈隔離)が土台
※各論はRFCA/PVIページへ
通電中に見る3点
1) 温度(電極温)
- “上がらない”=接触不足、血流へ逃げる、位置がズレている可能性
- “上がりすぎ/急変”=リスク(炭化・ポップなど)を疑う
2) インピーダンス
- 急激な変化は危険サイン(まず止めて状況確認)
- 緩徐な変化は効果の目安になることがある(施設運用に合わせる)
3) 接触圧(CF)
- 低い:焼けない(効果不足)
- 高い:穿孔/ポップ/合併症リスクが上がる
→ 目標レンジは施設・カテ・部位で違うので“ローカル運用”を優先
イリゲーション(灌流)の意味
- 電極先端を冷やして炭化/血栓を減らし、狙った深さのlesionを作りやすくする
- 流量は設定と連動することが多い(機種/運用差あり)
→ 詳細はRFCAページ側に集約
3Dマッピングは何をしてる?
- カテ位置と電位を使って、解剖+電気的情報を地図化
- “早い所”“遅い所”“ブロックしてる所”を見える化して、焼く場所を決める
合併症
すぐ止めて確認
- 伝導障害方向:房室ブロック兆候(特にAVNRT近傍)
- タンポナーデ疑い:血圧低下、心拍変化、疼痛、エコー所見など
- 塞栓疑い:神経症状、意識変化(左房系は常に意識)
- 食道関連:強い痛み/違和感、食道温の異常(左房後壁付近)
- スチームポップ疑い:音、急な変化、異常なインピーダンス変動
最低限の用語(ここだけ押さえる)
- HRA/HIS/CS/RV:カテを置く代表位置
- Bipolar/Unipolar:電位の見え方(診断に影響)
- Entrance/Exit block:PVIの成功判定の言葉
- CTI:典型AFLの線を作る場所
関連リンク(基礎)
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