糖尿病診断の指針

糖尿病診断の指針

糖尿病診断の指針

 

糖尿病の診断をどのように行うか?

● 慢性高血糖を確認し,さらに症状,臨床所見,家族歴,体重歴などを参考として総合判断す る.診断にあたっては,以下のいずれかを用いる a〜e).
1糖尿病型を 2 回確認する(1 回は必ず血糖値で確認する). 2糖尿病型(血糖値に限る)を 1 回確認+慢性高血糖症状の存在の確認. 3過去に「糖尿病」と診断された証拠がある.

 

高血糖をどのように判定するか?

● 空腹時血糖値,75g OGTT 2 時間値の組み合わせにより,正常型・境界型・糖尿病型のい ずれかを判定する.
● 空腹時血糖値 100〜109mg/dL の場合,正常域のなかで正常高値とする f).
● 糖尿病の疑い,境界型,空腹時血糖値が正常高値,HbA1c 5.6%以上の患者や,肥満や脂質
異常症の患者,家族歴が濃厚な患者に対しては,積極的に OGTT の施行を検討する d).
●高血糖の判定の際には,静脈血漿での血糖値を用いる.

 

血糖値・HbA1c が一度糖尿病型で,その後の反復検査で糖尿病と 診断できなかった場合は,どのようにするか?

● 反復検査で糖尿病型が再確認できない場合,3〜6 ヵ月の間隔で血糖値,OGTT を反復検査 して,経過を観察する d).
● 初回判定が随時血糖値 200mg/dL 以上で行われた場合,再検査は他の検査方法によること が望ましい d).
● 再検査にあたっては原則として HbA1c と血糖値の双方を測定する.平均的な血糖値と HbA1c の値が乖離する可能性のある疾患・状況の場合には,特に注意して必ず血糖値による診断を行うこと d).

糖尿病の病型分類をどのように行うか?

● 糖尿病の分類は,成因分類を主体とし,インスリン作用不足の程度に基づく病態(病期)を併 記する d)(成因と病態の関係については Q1-7 を参照).
● 糖尿病と糖代謝異常の成因は大きく分けて,(I)1 型,(II)2 型,(III)その他の特定の機序・ 疾患によるもの(,IV)妊娠糖尿病の 4 つに分類される.現時点でどれにも分類できないもの を分類不能とする d).
● 成因分類にあたっては,家族歴,発症年齢と経過,身体的特徴,膵島関連自己抗体,ヒト白 血球抗原(human leukocyte antigen:HLA),インスリン分泌能/インスリン抵抗性の程度,遺伝子検査など,種々の臨床的情報を総合して判断する d).
● 一人の患者が複数の成因を持つことがある d).

1 型糖尿病をどのように診断するか?(急性,緩徐進行,劇症を含む)

● 1 型糖尿病は成因別に,(A)自己免疫性,(B)特発性に分類され,発症様式別に,急性発症, 緩徐進行,劇症の 3 つに分類される.
● 急性発症 1 型糖尿病では,一般的に高血糖症状出現後 3 ヵ月以内にケトーシスやケトアシ ドーシスに陥り,直ちにインスリン療法を必要とする k).
● 緩徐進行 1 型糖尿病では,膵島関連自己抗体が陽性であるものの,診断されてもケトーシス やケトアシドーシスにはいたらず,直ちにはインスリン療法を必要としない l).
● 劇症では,高血糖症状出現後 1 週間前後以内でケトーシスやケトアシドーシスに陥るため, 血糖値に比し HbA1c が比較的低値であることが特徴であり,直ちにインスリン療法を必要と する

 

 

その他の特定の機序,疾患による糖尿病と糖代謝異常をどのように 診断するか?

● 近年の遺伝子技術の進歩によって現在までに,いくつかの単一遺伝子異常が糖尿病の原因と して同定されている.これらは1膵 β細胞機能にかかわる遺伝子異常,2インスリン作用機 構にかかわる遺伝子異常に大別される.
● 種々の疾患,症候群や病態の一部として糖尿病状態を伴う場合がある.その一部は従来,二 次性糖尿病と呼ばれてきた.膵疾患,内分泌疾患,肝疾患,薬物使用,化学物質への曝露, ウイルス感染,種々の遺伝的症候群などに伴う糖尿病がそれに含まれる.
● 診断には,1家族歴,遺伝形式,2糖尿病の発症年齢と経過,3他の身体的特徴,4膵島関 連自己抗体など種々の臨床的情報を参照する必要がある.
● その他の特定の機序,疾患による糖尿病と糖代謝異常:これには2つの群を区別する

 

糖尿病の病型分類(成因)と病態(病期)の関係はどのようか?

● 成因(発症機序)と病態(病期)は異なる次元に属するもので,各患者について併記されるべ きである.
● 糖尿病の成因が何であっても,糖尿病の発病過程では種々の病態を経て進行することが多く, また治療によっても病態は変化する可能性がある.
● 糖尿病のなかにもインスリン作用不足の程度によって,1インスリン治療が不要のもの,2 血糖コントロールのためにインスリン注射が必要なもの,3ケトーシス予防や生命維持のた めにインスリン投与が必要なもの,の 3 段階を区別する.
● インスリン依存状態とはインスリンを投与しないと,ケトーシスをきたし,生命に危険が及 ぶような状態をいう.ケトーシス予防や生命維持のためのインスリン投与は不要だが,血糖 コントロールのためにインスリン注射が必要なものはインスリン非依存状態にある.した がって,インスリン治療中の患者はインスリン依存状態にあるとは限らない.

 

 

 

 

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