ダイアライザ

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ダイアライザは、血液透析において血液中の尿毒素や余分な水分を除去する中心的な医療機器です。 内部には多数の中空糸膜が束ねられており、血液と透析液が膜を介して接することで、拡散、濾過、吸着などにより物質除去が行われます。 臨床工学技士は、ダイアライザの膜素材、膜面積、クリアランス、ふるい係数、UFR、アルブミン漏出、抗血栓性、生体適合性などを理解し、患者の状態や治療目的に応じて適切に評価する必要があります。

ダイアライザとは

ダイアライザは、血液透析で使用される血液浄化器の一つです。
血液は中空糸膜の内側を流れ、透析液は膜の外側を流れます。 膜を介して、尿素、クレアチニン、リン、β2ミクログロブリンなどの尿毒素が除去され、同時に余分な水分も除水されます。 ダイアライザの性能は、透析効率、除水性能、アルブミン漏出、生体適合性、抗血栓性などに関係します。

ダイアライザの構造

一般的なダイアライザは、中空糸膜、ハウジング、血液側ポート、透析液側ポートで構成されます。 血液は中空糸の内側を流れ、透析液は中空糸の外側を血液と反対方向に流れます。
この対向流により、濃度勾配が保たれ、効率よく溶質を除去できます。 中空糸の内径、膜厚、有効長、膜面積、充填量などは、ダイアライザの性能や血液抵抗に影響します。

ダイアライザで除去される物質

ダイアライザでは、主に小分子量物質、中分子量物質、一部の大分子量物質が除去対象になります。 小分子量物質には尿素、クレアチニン、カリウム、リンなどがあり、主に拡散によって除去されます。
β2ミクログロブリンなどの中分子量物質は、膜性能や濾過の影響を受けます。 近年は、α1ミクログロブリンなどの大きな中分子量物質の除去や、アルブミン漏出とのバランスも重要視されています。

透析膜の種類

透析膜は、大きくセルロース系膜と合成高分子系膜に分けられます。 セルロース系膜には、セルローストリアセテート、アシンメトリックトリアセテートなどがあります。
合成高分子系膜には、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル系ポリマーアロイなどがあります。 膜素材によって、親水性、疎水性、蛋白吸着、アルブミン漏出、抗血栓性、生体適合性が異なります。

ダイアライザの性能指標

ダイアライザの性能は、クリアランス、ダイアリザンス、KoA、ふるい係数、UFR、TMPなどで評価されます。 クリアランスは、単位時間あたりにどれだけ血液中の溶質を除去できるかを示します。
ふるい係数は、膜をどの程度通過しやすいかを示す指標です。
UFRは、膜の透水性能を表します。 臨床では、これらの指標だけでなく、治療中のTMP上昇、残血、凝血、アルブミン低下、患者症状も合わせて評価します。

血液浄化器の機能分類2025

血液浄化器の機能分類では、血液透析器、血液透析濾過器、血液濾過器が治療法ごとに整理されています。 血液透析器は、Ⅰ型、Ⅱ型、S型に分類されます。
Ⅰ型とⅡ型は、β2ミクログロブリンのクリアランスやアルブミンふるい係数などにより、さらにⅠ-a型、Ⅰ-b型、Ⅱ-a型、Ⅱ-b型に分けられます。 S型は、Ⅰ型・Ⅱ型とは異なり、生体適合性、吸着、抗炎症性、抗酸化性、抗血栓性などの特別な機能を有する血液透析器です。 機能分類は、単なる製品区分ではなく、除去したい物質、アルブミン漏出、透析関連愁訴、炎症、患者背景を考えるうえで重要です。

膜素材ごとの特徴

膜素材によって、除去性能、蛋白吸着、アルブミン漏出、抗血栓性、生体適合性が異なります。 ポリスルホン系膜は、透水性や溶質除去性能に優れ、広く使用されています。
PMMA膜は、蛋白吸着特性を持つ膜として知られています。
セルローストリアセテート系膜は、親水性や抗血栓性の面で特徴があります。 ただし、膜素材だけでダイアライザを選択するのではなく、機能分類、膜面積、患者症状、アルブミン値、炎症、透析条件を合わせて判断する必要があります。

ATA膜

アシンメトリックトリアセテート膜は、セルロース系膜の一つです。
非対称構造により、透水性や抗血栓性、生体適合性などを考慮して設計されています。 PVPやBPAを含まない点も特徴として紹介されることがあります。

臨床でのダイアライザ選択

ダイアライザは、除去性能だけでなく、患者の栄養状態、アルブミン値、透析関連愁訴、炎症、皮膚掻痒感、血圧変動、残血、抗凝固薬の使用状況などを考慮して選択します。 β2ミクログロブリンが高値で持続する場合、中分子量物質の除去を意識した選択が必要になります。
一方で、アルブミンが低い患者では、アルブミン漏出に注意が必要です。 臨床工学技士は、処方されたダイアライザを使用するだけでなく、治療中の圧変化、TMP上昇、残血、凝血、患者症状を観察し、必要に応じてチームで情報共有します。

臨床工学技士が見るポイント

臨床工学技士は、ダイアライザ使用中に以下を確認します。 ・血流量が確保できているか
・静脈圧、入口圧、TMPが異常に上昇していないか
・残血や凝血がないか
・透析後のアルブミン低下や栄養状態に問題がないか
・透析中の血圧低下、掻痒感、倦怠感などの症状がないか
・HDFでは補液量、TMP、アルブミン漏出に注意する ダイアライザは、単に「よく抜ける膜」を選べばよいわけではありません。
除去性能と安全性、患者背景のバランスを見て評価することが重要です。

まとめ

参考

透析膜の種類

・合成高分子系
ポリスルホン(PS)
ポリエーテルスルホン(PES)
ポリエステル系ポリマーアロイ(PEPA)
エチレンビニルアルコール共重合体(EVAL)
ポリメチルメタクリレート(PMMA)
ポリアクリルニトリル共重合体(PAN)(AN69膜)

・セルロース系
再生セルロース(RC)
セルローストリアセテート(CTA)
アシンメトリックトリアセテート(ATA)

合成高分子膜とセルロース系膜に分かれる。
セルロース系膜は3種類
https://med.nipro.co.jp/med_eq_category_detail?id=a1U1000000b52zKEAQ&name=ファインフラックス®(FIX)

アシンメトリックトリアセテート(ATA)

https://med.nipro.co.jp/med_eq_category_detail?id=a1U1000000b52zKEAQ&name=ファインフラックス®(FIX)
2014年ニプロ販売
ATA膜:非対象構造Asymmetric Triacetate
ファウリングを低下させる
ヘモダイアフィルターで唯一セルロース系
PVP・BPAフリー

非対象構造

https://www.hcmed.com.tw/system/product_files/files/000/000/042/original/finefluxFIX.pdf?1493022452
https://www.hcmed.com.tw/system/product_files/files/000/000/042/original/finefluxFIX.pdf?1493022452

TMP上昇軽減

https://www.hcmed.com.tw/system/product_files/files/000/000/042/original/finefluxFIX.pdf?1493022452

膜表面の平滑化

・膜構造を非対称構造にすることで、膜表面がより平滑化されました。
https://med.nipro.co.jp/med_eq_category_detail?id=a1U1000000b52zKEAQ&name=ファインフラックス®(FIX)#item

新たな紡糸技術によって、ATA®の内表面は従来のCTA膜よりも凹凸が小さくなりました。

治療用途に合わせたラインナップ

https://med.nipro.co.jp/med_eq_category_detail?id=a1U1000000b52zKEAQ&name=ファインフラックス®(FIX)#item
透析膜の標準指標
中空糸1本当たりの内径:約200μm
膜厚:10~50μm程度
有効長(長さ):10~30cm
血液充填量(プライミングボリューム) :30~160ml
中空糸:3000~15000本
ポアサイズ(細孔径):約10nm
ダイアライザ種類
セルロース系:対称膜
合成高分子系:非対称膜

膜素材

セルロース系
CA:cellulose acetate, セルロースアセテート
CTA:cellulose triacetate, セルローストリアセテート
合成高分子系

PAN:polyacrylonitrile, ポリアクリロニトリル
PS:polysulfone, ポリスルホン
EVAL®:ethylene vinyl alcohol co-polymer, エチレンビニルアルコール共 重合体
PMMA:polymethylmethacrylate, ポリメチルメタクリレート
PES:polyetersulfone, ポリエーテルスルホン
PEPA®:polyester-polymer alloy, ポリエステル系ポリマーアロイ
PS

疎水性→PVPで親水化
緻密層
非対称構造(グラジュエント構造)
透水性高い
小分子から大分子までの高い透過性
生体適合性に優れている
PES

疎水性→PVPで親水性
グラジュエント構造

滅菌法

γ線:gamma ray sterilization, γ線滅菌
AC:autoclave sterilization, or in-line steam sterilization, 高圧蒸気滅菌 ,
インライン蒸気滅菌

機能分類

機能分類   
  アルブミンふるい係数 
  <0.030.03<
β2MGクリアランス70<Ⅱ-aⅡ-b
 <701-a1-b
機能分類   
 a型b型S型
 蛋白非透過/低透過型蛋白透過型 
Ⅱ型小分子から中分子(β2MG)溶質の積極的除去を主目的とする大分子(α1MG)溶質の除去を主目的とする特別な機能
1型小分子から中分子溶質の除去を主目的とする小分子から大分子までブロードな溶質の除去を主目的とする 
ハイパフォーマンスメンブレン
   
PSNVFTORAY
PSABH旭化成
PESMFX-ecoNIPRO
ATAFIXNIPRO
PMMABKBG,NFTORAY
CTAFBNIPRO
PS
(ポリスルホン)
透過性、透水性に優れ、長時間使用でも劣化が少ない
PVPのアレルギーに注意する
PMMA
ポリメチルメタクリレート
蛋白吸着量が多い(サイトカイン吸着)
生体適合性に優れるが、濾過量が多いとライフタイムが短くなる
CTA
(セルローストリアセテート)
親水性で抗血栓性に優れる
濾過をかけると早期に目詰まりしやすい
PES
(ポリエーテルスルホン)
透過性、透水性に優れる
環境ホルモン様物質がPSに対し少ない
PAN
(ポリアクリロニトリル)
抗血栓性、濾過性能に優れる
現在は日本で販売はない
性能

溶質除去性能:拡散による小分子除去
透水性能:濾過による大分子除去・除水
生体適合性:アレルギー反応など
抗血栓性:ライフタイム
経時劣化が少ない(ファウリングなど)

機能評価

拡散の評価
クリアランス(CL) 
ダイアリザンス
総括物質移動面積係数(KoA)
限外濾過の性能
ふるい係数(SC) 
膜間圧力差(TMP) 
濾過係数(Lp)
限外濾過率(UFRP)
抗血栓性

ライフタイム 
血栓の評価
生体適合性

バイタルサイン(心電図や血圧など)
顕微鏡観察(SEMなど)
吸着特性

膜前後の濃度

AsahiKASEI

APS-EA
APS-SA
APS-MA
APS-UA
APS-E
VPS-HA
ABH-PA
ABH-F EVAL 機能分類S型
KF-C
kf-m
KF

TORAY

PMMA 機能分類S型
NF
BG
BK
NIPRO
マキシフラックス
https://med.nipro.co.jp/med_eq_category_detail?id=a1U1000000b52zJEAQ&name=マキシフラックス(MFX)
持続緩徐式血液濾過器
   
エクセルフロー  
CH-1.8W  
   
KT/V>1.2
リン6.0アルブミン 3.5以上 OHDF検討
β2MG
BUN 60

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透析トップページ
MEトップページ 参考 https://www.jseptic.com/ce_material/update/ce_material_02.pdf

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