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過去問が解けるようになることだけを目的に、電子回路素子の要点を絞ってまとめたものです。過去問を解く
前に読んでも、解いたあとに読んでもかまいません。読み終えたら
対応する過去問(第30〜33回・26問)が解けるようにしてあります。
電子回路素子は
覚える量が多く見えて、実は「グループ分け」が5つあるだけです。①素子は何が変わるのか ②ダイオードの3つの顔 ③BJTとFETの対比 ④理想オペアンプの無限大とゼロ ⑤Cが入力側か帰還側か。この5つで26問がほぼ全部片づきます。
① 素子は「抵抗が変わる」か「起電力を生む」か
| グループ | 素子 | 何に反応するか |
|---|
| 抵抗が変わる | サーミスタ | 温度 |
| 抵抗が変わる | CdS | 光(光導電効果) |
| 抵抗が変わる | ひずみゲージ | ひずみ |
| 起電力を生む | ホール素子 | 磁界 |
| 起電力を生む | 熱電対 | 温度差(ゼーベック効果) |
| 起電力を生む | 圧電(ピエゾ)素子 | 圧力・加速度 |
| 起電力を生む | フォトダイオード | 光 |
この表だけで
2問(第31回午後51・第32回午後51)が解けます。合言葉は
「ピエゾ=圧、ホール=磁気」。
| 発光する | 発光しない |
|---|
| LED | CCD(受光=撮像素子。内視鏡カメラ) |
| 有機EL | 液晶(バックライトで照らすだけ) |
| プラズマディスプレイ | フォトダイオード(受光) |
② ダイオードの3つの顔
| 種類 | 押さえる点 |
|---|
| 理想ダイオード | 順方向抵抗0・逆方向抵抗∞(「順方向が無限大」は✕)。導通条件はアノード電位>カソード電位 |
| LED | 発光強度は電流に比例(電圧ではない)/波長は材料のバンドギャップで決まる(電流では変わらない)/順方向電圧約1.8〜3.6Vで整流用Si(0.6〜0.7V)より高い |
| ツェナーダイオード | 逆方向で降伏し、両端電圧がツェナー電圧に固定される。残りの電圧が抵抗にかかる |
| フォトダイオード | 光が当たるとアノードから流出する向きに電流。光が強いほど増加(パルスオキシメータの受光側) |
ツェナー回路の解き方は1行です。「電源電圧 − ツェナー電圧」を抵抗で割る。例:(5V−3V)÷20Ω=0.1A=
100mA。
リミッタ(クリッパ)は「基準電圧+順方向降下0.6V」で頭打ち。基準±3Vなら出力は
+3.6V/−3.6V。
③ BJTとFET(対比だけ覚える)
| バイポーラトランジスタ(BJT) | 電界効果トランジスタ(FET) |
|---|
| 制御 | 電流制御(ベース電流) | 電圧制御(ゲート電圧) |
| キャリア | 電子と正孔の両方=バイポーラ | 1種類だけ=ユニポーラ |
| 入力インピーダンス | 低い | 非常に高い(生体アンプの入力段向き) |
| n形チャネルの多数キャリア | — | 電子(正孔はp形) |
| MOS-FET | — | Metal-Oxide-Semiconductor構造 |
| CMOS | — | 消費電力が少ない(植込みデバイスに使われる理由) |
n形=negative=
電子、p形=positive=
正孔。ここを入れ替えた選択肢が毎年出ます。
④ pn接合の逆バイアス
| 逆電圧を高くすると | どうなる |
|---|
| 空乏層 | 広がる(小さくなるは✕) |
| さらに上げると | 降伏現象(ブレイクダウン)が生じる |
| 拡散電位(内蔵電位) | 変わらない(材料で決まる値。高くなるは✕) |
⑤ 理想演算増幅器=「無限大チーム」と「ゼロチーム」
| 無限大が理想 | ゼロが理想 |
|---|
| 増幅度(利得) | 出力インピーダンス |
| 入力インピーダンス | 入力端子に流れ込む電流 |
| 周波数帯域幅 | オフセット電圧 |
| CMRR(同相除去比) | — |
| スルーレート | — |
計算問題は必ずこの2つから始めます:
①入力端子に電流は流れ込まない ②反転入力=非反転入力(バーチャルショート)。
| 反転増幅器 | 値 |
|---|
| 電圧増幅度 | −R2 / R1 |
| 入力インピーダンス | 入力抵抗R1そのもの(帰還抵抗は関係ない) |
| 入力抵抗に流れる電流 | 帰還抵抗に流れる電流と等しい |
⑥ dBの換算(覚えるのは2つ)
| dB | 倍率 | 出し方 |
|---|
| 6dB | 2倍 | — |
| 20dB | 10倍 | — |
| 26dB | 20倍 | 20dB+6dB=10×2 |
| 54dB | 約500倍 | 6dB×9=2⁹=512≒500 |
式は
増幅度[dB] = 20 log₁₀(電圧増幅度)。「増幅度20
倍」と「20
dB(=10倍)」を混同させるひっかけが定番です。
⑦ コンデンサが入力側か帰還側か(微分と積分)
| 入力側にC | 帰還側にC |
|---|
| 働き | 微分回路 | 積分回路 |
| フィルタ | ハイパス(HPF) | ローパス(LPF) |
| 直流 | 通さない | 通す(通過域に含まれる) |
| 特性が出る帯域 | 遮断周波数より十分低い帯域で微分特性 | 遮断周波数より十分高い帯域で積分特性 |
| 入力インピーダンス | 周波数に依存する | 入力抵抗で決まりほぼ一定 |
| 共通の計算 | 式・値 |
|---|
| 遮断周波数 | f = 1 /(2πCR) |
| 時定数 | τ = CR(例:1μF × 10kΩ = 10ms) |
| 遮断周波数での位相 | 通過域からさらに45°ずれる(「位相差ゼロ」は✕) |
| 通過域の増幅度 | R2/R1を出してからdBに直す(20倍=26dB、2倍=6dB) |
→ 過去問で確認する
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