透析関連薬について
フォゼベル
基本情報製品名 | フォゼベル錠5mg/10mg/20mg/30mg |
一般名 | テナパノル塩酸塩 |
製品名の由来 | 新規(novel)作用機序のリン(phosphate)吸収阻害薬 |
製造販売 | 協和キリン(株) |
効能・効果 | 透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善 |
用法・用量 | 通常、成人にはテナパノルとして1回5mgを開始用量とし、1日2回、朝食及び夕食直前に経口投与する。 以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1回30mgとする。 |
収載時の薬価 | 5mg:234.10円 10mg:345.80円 20mg:510.90円 30mg:641.80円 |
発売日 | 2024年2月20日 |
これまでの高リン血症の治療薬は、リンの吸着薬のみでしたが、フォゼベルは新規の作用機序として期待できそうです。
フォゼベル(テナパノル)の作用機序:NHE3阻害薬
フォゼベルは腸管上皮細胞のNHE3を選択的に阻害する薬剤です。NHE3が阻害されることで、Na+の吸収が抑制され、H+の排泄が抑制されます。
その結果、腸管上皮細胞内のpHが酸性側に傾き、クローディンの構造変化を引き起こします。
クローディンが構造変化を引き起こすと、タイトジャンクションが閉じられてしまい、腸管内のリン酸塩が傍細胞経路から吸収されなくなります。
タイトジャンクションからのリン酸塩の吸収が抑制され、高リン血症の改善につながるといった作用機序です。
また、フォゼベル自身は腸管からほぼ吸収されることがないため、全身性の作用を示すことなく、腸管選択的に作用すると考えられています。
Na+と水分は同じような動き方をするため、Na+の吸収が抑制されると、水分の吸収も抑制されます。その結果、腸管内には水分が滞留しますので、下痢になりやすい副作用があります。
通常の状態
テナパノル塩酸塩の作用機序
1、フォゼベルは腸管上皮細胞の頂端膜に発現するNHE3を阻害——————————
2、腸管上皮細胞内のH+濃度が上昇(細胞内pH低下)
3、細胞間隙のリン透過性が低下(リン吸収低下)
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参考
協和キリンHPhttps://medical.kyowakirin.co.jp/kidney/phozevel/index.html
添付文書
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00071041.pdf
製品情報
https://medical.kyowakirin.co.jp/kidney/phozevel/phozevel_all.pdf
論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6454550/pdf/nihms-1014997.pdf
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