IVUS

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特徴

 

IVUS はカテーテル先端の振動子から超音波信号を発射し,冠動脈壁で反射する超音波信号を電気信号に変換した上で冠動脈の血管断面構造を描出するものである.機械 走査式と電子走査式に大別され,機械走査式では単一の 振動子がカテーテル内を高速で回転することにより 360 度 方向の画像を構築する.電子走査式は複数の超音波振動子をカテーテル先端部に円周上に配置し,それぞれから超 音波を発生させ 360 度方向の画像を得るものである.一般 に,機械走査式は発振周波数が高く(40~60 MHz)高解 像度であるが,探触子がカテーテル中で回転するため,蛇 行血管では回転ムラ(NURD)によって画像が歪むことが ある.電子走査式は,回転する部分がないため蛇行血管で NURDが生じることはないが,20 MHzと周波数が低く画像解像度に劣る.いずれの IVUSもセンサー部分が病変部 を越えるまでカテーテルを進めた後,モーターを用いて一 定速度(0.5~1.0 mm/秒)で引き抜き(プルバック)ながら 血管断面情報を採取する.
最近では探触子に高周波数(60 MHz)を採用し,撮像フレームレートを増加させることにより,高解像度で高速 プルバック(9.0 mm/秒)が可能なIVUSが主流になりつつある 672).一般に,IVUSは後述の OCTと比較し,画像解像度は劣るが,十分な信号深達度を有し冠動脈壁全層の 評価に適するという利点を有している.

意義

 

冠動脈壁は内腔側から内膜・中膜・外膜の 3 層構造を呈 する.IVUS は,健常の内膜を描出することは困難である が,動脈硬化病変では冠動脈プラークを内膜の局所的肥厚 として描出する.実際の観察では内膜と中膜の境界は明ら かでないことが多く,プラーク断面積は,中-外膜境界を トレースしてそこから内腔面積を引いた値(内膜面積+中
膜面積)となり,内膜中膜複合体(IMC)と呼ばれる.病 変内で狭窄がもっとも強い部分での断面積を最小血管内腔 面積(minimum lumen area: MLA)とよぶ.冠動脈プラー クは,IVUS のエコー輝度によりソフトプラーク,ハードプ ラークに分類されるが,実際の硬度や組織性状との相関は 高くない.最近では,超音波信号を病理学的所見と対比させ,種々のアルゴリズムで解析することによって IVUS 画 像上で各組織性状を色別で表示して,冠動脈組織性状を推測できるようになった(virtual histology IVUS[VH- IVUS]: Volcano 社,integrated backscatter IVUS[IB- IVUS]: テルモ社,iMAP: Boston Scientific社)674).一方 で,石灰化病変はエコー輝度が高く,後方に音響陰影を伴 うという特徴を示すため,高い感度・特異度(90%以上) で判別が可能である.また,石灰化を伴わないにもかかわらず後方に音響減衰を伴ったプラークを attenuated plaque と呼び,PCI後にno reflow/slow flowを引き起こしやすい 病変として特徴づけられている 675, 676).さらに近年,近赤 外分光法(near-infrared spectroscopy: NIRS)を用いてコ レステロールエステルに富む脂質コアプラーク(lipid core plaque: LCP)の検出が可能なシステムとIVUSを組み合わ せた NIRS-IVUS(Infraredx 社)が開発され臨床応用され ている 677).このような組織性状評価に基づいた治療戦略 が症例の予後改善につながることが示されれば,今後さらに IVUS が活用されていくと予想される.
一方,IVUS は冠動脈ステントのサイズや長さの決定にも有用である.冠動脈内腔径に加えて血管リモデリングも 加味した血管径の評価は,バルーンやステントのサイズ決定に重要である.従来から IVUS で測定した遠位参照血管の血管外径(中-外膜境界)に 0.8 ~ 0.9 を乗じたサイズを選ぶ方法が広行われてきた.最近では後期内腔損失が少ない DES が主流となり,血管内腔径を参考に留置ステント径を決定することも多くなっている.ただし,病変部が陰性モデリングしている場合には,参照血管径のみを参考にすると冠動脈穿孔のリスクがあり注意が必要である.また, 病変近位部および遠位部の残存プラーク量を評価することでステント長の決定,さらに冠動脈血腫や穿孔などの合併症の予測や検出にも有用な情報を提供してくれる.
最近では IVUS ガイド PCI の臨床的有用性を示す観察研究,メタ解析,さらに RCTの結果が数多く報告されている.とくに病変長の長い病変や慢性完全閉塞病変を対象にした IVUSガイド PCIの有用性が示されており,RCT に限定したメタ解析においても,IVUS ガイド PCI は冠動脈造影単独と比較して主要心血管イベント,とくに標的血管再血行再建を有意に減少させることが示唆されている.

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