熱希釈法とは|スワンガンツで心拍出量(CO)を測るしくみ・フィック法との違いを図解

熱希釈法 温度変化からCO算出 PCI
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熱希釈法(thermodilution)は、スワンガンツカテーテルを使って心拍出量(CO:1分間に心臓が送り出す血液量)をベッドサイドで測る、最も標準的な方法です。「冷たい生理食塩水を注入して、その温度変化から流れる血液量を逆算する」のが基本の考え方です。
熱希釈法のしくみ(右房で冷水注入→肺動脈のサーミスタで温度変化を検出→温度曲線からCOを算出)

熱希釈法のしくみ

① カテーテルの手元(右房)から冷たい生理食塩水(既知の量・温度)を素早く注入します。
② 冷たくなった血液が肺動脈へ流れ、先端のサーミスタ(温度センサー)が温度の下がり方を検出します。
③ 得られた「温度−時間曲線」の面積からコンピュータがCOを計算します。血流が多い(CO大)ほど早く温度が戻り、曲線の面積は小さくなります。

心拍出量CO・心係数CI・一回拍出量SV

心拍出量 CO = 一回拍出量(SV)× 心拍数(HR)
・体格差をなくすため体表面積で割ったのが心係数 CI = CO ÷ 体表面積(BSA)で、正常値の目安は2.5〜4.0 L/分/m²
・CIはフォレスター分類でも、ポンプ機能の軸として使われます。

フィック法との違い

もう一つのCO測定にフィック法があります。フィック法は「酸素消費量 ÷ 動静脈の酸素含有量の差」でCOを求める方法で、精度は高いものの酸素消費量の測定が必要です。熱希釈法は手技が簡便でベッドサイドで繰り返し測れるのが利点で、臨床で広く使われます。

誤差が出やすい状況

次の場合は熱希釈法のCOが不正確になりやすいので注意します。
三尖弁逆流(冷水が逆流して薄まる)
極端な低心拍出
・注入する生食の量・温度・速度のばらつき(複数回測って平均するのが基本)
・心内シャントがある場合

参考・出典

・血行動態指標(COなど)の測定は、日本循環器学会「2025年改訂版 心不全診療ガイドライン|右心カテーテル検査で得られる血行動態指標(103頁)」を参照。数値・手技は標準的な目安で、病態により判断は異なります。

「打ち込む」タイプ? ほかの測り方との違い

熱希釈法は冷たい生理食塩水を注入し、温度変化を先端のサーミスタで読む方法です。注入するのは薬ではなく“冷やした生理食塩水(ただの冷水)”です。
フィック法は逆に、注入せず採血や光で酸素を読む方法。
・昔は色素希釈法(インドシアニングリーンなどの色素を注入して濃度変化を測る)も使われましたが、現在は簡便な熱希釈法にほぼ置き換わっています。
CO測定の2タイプ:打ち込む系(熱希釈法)と読む系(フィック法)

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