体外循環装置について
体外循環装置
1原理と構成
1・血液ポンプ
無拍動流ポンプ:ローラポンプ・遠心ポンプ(インペラー型、直流路型、コーン型)・軸流ポンプ
拍動流ポンプ:拍動流専用ポンプ
補助人工心臓(ダイアフラム型、サック型、チューブ型、プレッシャープレート型)
無拍動流ポンプの拍動流モード駆動
IABP(大動脈バルーンパンピング)の併用
遠心ポンプ | ローラポンプ | |
---|---|---|
溶血 | 少ない | 多い |
血液損傷 | 少ない | 多い |
長期補助循環 | 適する | 適さない |
空気混入 | 空回り | 押し出す |
流量計 | 必要 | 不要 |
回路破損 | 少ない | ありうる |
流量制御 | 難しい | 容易 |
低流量 | 逆流 | – |
陰圧 | ない | 生じる |
ローラポンプ,遠心ポンプ
遠心ポンプ
溶血少ない
流量計は必要
回路閉塞時に回路破裂の心配がない
遠心ポンプの特徴
溶血が少ない
大きな気泡を駆出できない
帰路閉塞しても危険な圧力が発生しにくい
逆流防止機構がない
流量計が必須である
2・人工肺
作用
人工の膜を介してガス交換を行い、炭酸ガスの除去と静脈血の酸素加を行う。
膜の形態
シート型:膜を支持版と交互に積み重ねたもの。市販されていない
フィルム型:薄い血液膜を作り、その表面でガス交換を行うもの。市販されていない
中空糸型 外部還流型 ← 主流
内部還流型
外部還流型 | 内部還流型 | |
---|---|---|
血流中空糸の | 外側 | 内側 |
圧力損失 | 小さい | 大きい |
使用 | 主流 | 使われない |
血液の流れ | 乱流 | – |
多孔質膜:ポリプロピレン
均質膜:シリコーン
複合膜:ポリプロピレン+シリコーン、ポリエチレン+フッ素
非対称膜:ポリメチルペンテンペンテン
ガス交換膜の特徴
期待透過係数 | 膜厚 | 物質移動係数 | |||
---|---|---|---|---|---|
O2 | CO2 | O2 | CO2 | ||
ポリプロピレン | 2.2 | 9.2 | 25 | 40000 | 34000 |
シリコーン | 600 | 3200 | 100 | 6.2 | 31 |
ポリメチレンペンテン | 32 | 93 | 25 | 64 | 186 |
血液ガス分圧調節
PaO2は酸素ガス濃度
酸素濃度あげる:PaO2上昇
下げる:低下
酸素ガス流量
ガス流量をあげる:PaCO2低下
下げる:上昇
ポリプロピレン多孔質膜
疎水性
膜厚は25μm
微細孔の大きさは 0.05μm
物質移動係数はシリコーン均質膜よりも高い
外部灌流型膜型肺
中空糸の外側:血液
内側:ガス
内部灌流型膜型肺は逆。現在使われない。
酸素濃度あげる:PaO2上昇
下げる;PaO2低下
ガス流量あげる:PaCO2低下
下げる:PaCO2上昇
2体外循環の病態生理
1・体外循環と血液
人工心肺による体外循環中の変化
上昇:アドレナリン、ノルアドレナリン、バソプレッシン、レニンアンジオテンシンーアルドステロン系、心房性ナトリウム利尿ペプチド、血糖値、血中遊離脂肪酸値、コルチゾール、白血球、IL-1,IL-6,TNF-α
低下:カリウム、ナトリウム、カルシウム濃度血小板数
低カリウムになりやすい理由
大量の尿への排出、細胞外液から細胞内へのシフト
低体温、アルカローシス、インスリン
カリウム濃度上昇の原因
アシドーシス、尿量低下、心筋保護駅投与、輸血
血液希釈 希釈率20~30%目標(ヘマトクリット20%,ヘモグロビン7g/dL安全限界)
ヘモグロビンの酸素解離曲線
開心術中
ACTで400秒以上延長確認
抗凝固薬、ヘパリン使用
低体温
増加:抹消血管抵抗、血液粘稠度
低下:酸素需要、カテコラミン活性、凝固・線溶系酵素活性
2・適正灌流
3体外循環技術
1・循環動態
2・適正灌流
3・モニタリング
4・心筋保護
心筋保護の原理
科学的心停止
高カリウム:心筋の脱分極(細胞外液型)
低ナトリウム:心筋内外の濃度勾配消失(細胞内液型)
低音
心筋保護液注入方法
4補助循環法
1・循環補助
IABP 圧補助
PCPS 流量補助
補助人工心臓
左心補助(LVAD)
右心補助(RVAD)
両心補助(Bi-VAD)
IABP
ダイアストリック・オーグメンテーション
冠動脈への血流(酸素供給)増加
脳・腎臓血流の増加
シストリック・アンローディング
後負荷(アフターロード)の軽減
心仕事量の軽減
心筋酸素消費量(MVO2)低下
2・呼吸補助
5安全管理
1・体外循環の合併症
2・
3・
4・
5・体外循環のトラブル対策
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