医の倫理の要点

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医の倫理で問われるのは原則論ではなく、どこまでがOKでどこからNGかという線引きです。ここを押さえれば解けます。 → 医の倫理の過去問と解説

① 個人情報:本人の同意が要らない場面

診療情報は要配慮個人情報(病歴、診療記録に記載される診療情報や調剤情報、健康診断結果、障害の事実)で、取得も第三者提供も原則は本人同意が必要です。
ただし例外があり、そこが出題されます。
同意なしでできる理由
意識不明の患者の病状を家族に説明「意識不明の患者の病状や重度の認知症の高齢者の状況を家族等に説明する場合は、本人の同意を得ずに第三者提供できる場合と考えられる」
大震災で家族からの安否問合せに答える「本人の同意を得るための作業を行うことが著しく不合理である場合」=生命・身体の保護
児童虐待を疑い市町村へ通告法令に基づく場合(児童虐待の防止等に関する法律)
検体を検査業者へ渡す診療という利用目的の範囲内(委託)
同意なしではできない理由
担任教師に生徒の回復見込みを回答家族でも法令でも緊急でもない=ただの第三者
判断の順番はこれだけです。
  1. 法令に基づくか(児童虐待通告・立入検査など)→ OK
  2. 生命・身体の保護に必要で、同意を取るのが困難か(意識不明・災害)→ OK
  3. そのどちらでもない第三者(学校・職場・知人)→ NG
※「家族だからOK」ではなく「本人が意思表示できない状況だからOK」という理解が正確です。

② 共感とは何か

言葉の意味そのものが問われます。
共感相手の気持ちを自分の気持ちのように実感する
✕ 同情・巻き込まれ相手の気持ちに過剰に入り込む
✕ 万能な理解相手の気持ちを完全に理解する
✕ 自分本位自分の気持ちに相手を巻き込む/自分の気持ちを相手に理解させる
「相手の側に立つが、飲み込まれない」——過剰に入り込むのも、完全に理解したと思うのも共感ではありません。

③ リビング・ウィルの射程

ここが最も引っかけられます。
正しい本人の意思が最も優先される/単に死の瞬間を引き延ばす延命措置を避けられる/医療チームから説明を受けて選ぶ/尊厳をもって最期を生きることにつながる
誤り一時的に生命維持が困難になった際の回復目的の救命まで拒むことになる
リビング・ウィルは「人生の最終段階」についての意思表示であって、回復が見込める場面の救命を拒否するものではありません。ここを混同させる選択肢が出ます。 関連して押さえておくとよいのが、厚生労働省ガイドラインのACPです。「人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス」と定義されています。一度書いて終わりではないのがポイントで、理由は「本人の意思は変化しうるものである」からです。 本人の意思が確認できないときは、①家族等が推定できる→推定意思を尊重 ②推定できない→本人にとって何が最善かを家族等と話し合う家族が決めるのではありません。

→ 過去問で確認する

医の倫理の過去問と解説はこちら(第29回・第31回・第32回)

参考(一次情報)

医学概論
ME国家試験
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