小児患者の腎性貧血

スポンサーリンク

小児患者の腎性貧血について

 

 

小児患者の腎性貧血

 

 

小児患者における腎性貧血の診断と基準

 

1)貧血の診断基準値として Hb 値を用い,各年齢・性別に応じた基準値は以下のとおりとする.

年齢・(性別) Hb値
0.5~5歳 男女 <11.0 g/dL
5~12歳 男女 <11.5 g/dL
12~15歳 男女 <12.0 g/dL
>15歳 男性 <13.0 g/dL
>15歳 女性 <12.0 g/dL

2)腎性貧血の主因は腎障害に伴うエリスロポエチンの産生低下であり,貧血の主因が CKD 以外に求められないものをいう

 

小児患者における腎性貧血治療の維持すべき目標 Hb 値と開始基準

 

1)腎性貧血治療の維持すべき目標 Hb 値は 11 g/dL とし,その開始基準は,複数回の検査で Hb 値が 11 g/dL 未満となった時点とする.ただし,腎性貧血治療は,患者個々の状態(通園・通学状況や学習・ 運動能力など)を考慮して開始されることを提案する.(2D)

 

小児患者における鉄補充療法

 

1)ESA 製剤も鉄剤も投与されておらず目標 Hb 値が維持できない症例において,血清フェリチン値が 50ng/mL 未満の場合には,ESA 投与に先行した鉄補充療法を考慮する.
2)ESA 投与下で目標 Hb 値が維持できない症例において,血清フェリチン値 100 ng/mL 未満かつ TSAT20%未満の場合,鉄補充療法を考慮する.
3)ESA 投与下で目標 Hb 値が維持できない症例において,以下のいずれの条件を満たす場合には鉄補充療法を考慮する.
・鉄利用率を低下させる病態が認められない場合
・血清フェリチン値が 100 ng/mL 未満または TSAT が20%未満の場合
4)鉄補充療法を行う場合には鉄過剰にならないよう十分に注意する.

 

小児患者における ESA の投与法(投与経路や投与量)

 

1)ヒトリコンビナントエリスロポエチン製剤(rHuEPO)の投与経路は原則皮下注とし,投与量は投与初期に1回50~100単位/kg体重を週1回皮下投与する.貧血改善効果が得られた際には,維持量として1 回 100~200 単位/kg 体重を 2 週に 1 回皮下投与する.
2)DA の投与経路は,皮下注もしくは静脈内投与とし,投与量は投与初期に,HD 患児に対して 1 回 0.33 μg/kg(最高 20μg)を週 1 回静脈内に投与し,PD 患者および保存期腎不全患者に対しては 0.5μg/kg (最高 30μg)を 2 週間に 1 回,皮下または静脈内に投与する.貧血改善効果が得られた際には維持量 として HD 患児に対しては週 1 回 5~60μg を静脈内投与し,PD 患児および保存期腎不全患児に対しては 5~120μg を 2 週間に 1 回皮下もしくは静脈内に投与する.貧血改善効果が維持される場合には, 投与量の 2 倍量を開始用量として,HD 患児で 2 週に 1 度,PD 患児および保存期腎不全患児では 4 週 に 1 度と投与間隔を延長できる.ただし最高用量は 1 回 180μg である.

 

小児患者における ESA 低反応性について

 

1)ESA 低反応性の多くは絶対的あるいは機能的鉄欠乏状態による.鉄欠乏状態がみられない場合には, その原因を検索する必要があり,小児では慢性炎症,栄養障害,不適切な透析,副甲状腺機能亢進症, さらにノンアドヒアランスに留意する.

 

 

小児患者における赤血球輸血

 

成人に準ずる

 

小児患者における ESA の副作用と随伴症状

 

ESA の副作用としては,高血圧,血栓塞栓症,赤芽球癆(pure red cell aplasia:PRCA)などがあ り,小児においてもこれらの副作用の出現には注意すべきである.

 

 

透析トップページ

MEトップページ

コメント

タイトルとURLをコピーしました