INVOSについて解説します。
INVOSとは
INVOS:IN Vivo Optical Spectroscopy 5100C システムは、NIRS:near infrared spectroscopy(近赤外線分光法)を用いて 脳や骨格筋など組織の酸素飽和度(rSO2)を測定する脳オキシメータです。
rSO2(regional Saturation of Oxygen) とは
INVOS 5100C システムが測定しているrSO2:regional Saturation of Oxygen は微小血管(細動脈・細静脈・毛細血管)の酸素飽和度であり、局所混合血酸素飽和度もしくは組織酸素飽和度と呼ばれるものです。 rSO2 をモニタリングすることにより局所(センサ直下)の酸素需給バランスの変化をとらえ、局所の灌流状態や代謝を評価することが可能です。
測定原理
INVOS 5100C システムの各センサには、2 種類の波長(730 nm および 810 nm)の近赤外光を発する LED と、透過光を検出する 2 つのフォトダイオード(浅部と深部)が搭載されています。発光部から異なる距離(3cm および 4cm)にある 2つの受光部の信号情報を利用し、浅部の皮膚や骨からの信号情報を差し引くことで、測定対象である深部の脳/体組織領域からの信号情報のみを得ることができます。
この測定技術は、SRS:Spatially Resolved Spectroscopy(空間分解能分光法)と呼ばれています。
INVOSのrSO2の妥当性
rSO2 は精度の参照となる生体情報がないため、SvO2 や SjvO2 などの静脈血酸素飽和度との相関で妥当性を評価します。INVOS は健常ボランティアによる妥当性試験や多数の臨床試験により、静脈血酸素飽和度との相関が証明されています。
fSO2との比較
● rSO2 には動脈の情報が含まれているため fSO2:Field Saturation=(SaO2×0.25)+(SjvO2×0.75)と比較される
● SaO2 と SjvO2 を測定し、そこから計算された値(fSO2)と実測値(rSO2)は良好に相関する rSO2の評価
● rSO2は静脈血の情報が多いため、静脈血の影響を大きく受ける
● rSO2は SjvO2や SvO2などの静脈血酸素飽和度と有意 に相関することが報告されている
● したがって、rSO2は局所(センサ直下の組織)の酸素 需給バランス(特に血流)の評価が可能である
代表的なセンサ装着部位
成人 新生児および小児 無侵襲センサ
● 患者さんにも術者にも負担の少ないセンサです。
豊富なセンサラインナップ
● 成人から新生児まで幅広い患者さんの様々な部位に装着できます。
INVOSの特徴
ベースラインの設定
ベースラインの設定を行うことで、rSO2 の変化率(%)を表示します。rSO2 がベースラインから相対的に20%以上低下した場合は表示が黄色になり、注意を促します。
SSI の表示
光のシグナルの強さを 5 段階で示します。 組織から戻ってくるシグナルの安定度を表示し、正確なrSO2 が得られているか確認できます。最大 4 チャンネル
前額部での測定だけでなく、任意の箇所で最大 4 か所まで同時測定可能です。シンプルな操作性
キャリブレーションの必要もなく、簡単、迅速に使用できるため、緊急時にもすぐに使用できます。USBポート搭載
付属のUSBフラッシュメモリにより、データの保存・管理が簡単に行えます。高い適応性
新生児から成人まで、幅広いモニタリングに対応します。 ※2.5kg 以下の場合、トレンドモニタとしてご利用可能です。AUC
AUC:Area Under the Curve とは、設定された閾値以下で経過した時間と深さの二次元パラメータです。● 脱飽和度の程度を定量化したものである
● 閾値以下の累積飽和値(min %)で示す
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