術中・術後管理
静脈栄養
静脈栄養:経腸栄養が施行不可能あるいは経腸栄養だけでは不十分な場合末梢静脈栄養(peripheral parenteral nutrition:PPN) |
中心静脈栄養(total parenteral nutrition:TPN) |
中心静脈栄養
中心静脈栄養(TPN):心臓に近い中心静脈に挿入したカテーテルを介して、栄養製剤を投与する治療法鎖骨下静脈や内頚静脈から専用の穿刺針を刺し、中心静脈(上大静脈)までカテーテルを挿入し、高カロリー輸液を投与。
正確な名称ではないが、IVH(intravenous hyperalimentation)ともいう。
中心静脈栄養の適応
・経口から栄養摂取が困難な場合
・消化管での栄養吸収が障害された場合
・末梢静脈栄養が長期化されると予測される場合
(ただし適応基準は、患者の状態などによって異なる。)
中心静脈栄養法に用いられる輸液
アミノ酸や糖質、脂肪、ビタミンなど生命維持に必要な栄養素(また、この輸液は高濃度のため、末梢静脈から投与を行うと静脈炎を起こしやすいため、血流量が多く、速やかに希釈できるような太い血管がある中心静脈からカテーテルで注入する必要がある。)
【メリット】
・消化器系への負担が軽減できる。
・必要なエネルギーや栄養素の確実な投与が可能である。
・緊急時に早急な薬液の投与が可能である。
・一度カテーテルを入れておくと何度も穿刺をする必要がないため、痛みが軽減される。
・条件によっては在宅でも実施できるためQOLが上がる。
【デメリット】
・高血糖、肝機能障害などの合併症の可能性がある。
・血流感染や静脈炎などのリスクがある。
・腸管粘膜が萎縮し、消化機能が低下する。
・血栓が形成されることがある。
・衛生面など管理には細心の注意が必要である。
合併症
カテーテル留置 | 気胸、血胸、動脈穿刺、神経損傷、空気塞栓、カテーテルの遺残 |
輸液ルート | カテーテル関連感染、自己抜去 |
代謝 | 糖代謝:高血糖、低血糖 タンパク質代謝:腎前性高尿素血症 |
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