臨床工学技士とは

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臨床工学技士とは

臨床工学技士とは

病院の中には医師や看護師の他に、レントゲン・CT・MRIなどを扱う診療放射線技師、血液や細菌検査・心電図や脳波などの検査を行う臨床検査技師、リハビリテーションを行う理学療法士が働いています。

ここでご案内する『臨床工学技士』も病院で働く医療技術者です。医師以外の診療補助に従事する看護師や各種の医療技術者のことをメディカルスタッフと呼んでいます。

臨床工学技士はメディカルスタッフの一職種であり、現在の医療に不可欠な医療機器のスペシャリストです。 今後益々増大する医療機器の安全確保と有効性維持の担い手としてチーム医療に貢献しています。

臨床工学技士の制度が出来たのは比較的新しく、1987年に制定されました。臨床工学技士になるには定められた学校を卒業し国家試験を受ける必要があります。
1987年5月に制定された「臨床工学技士法※」に基づく医学と工学の両面を兼ね備えた国家資格です。
(※公布 昭和62年6月2日、施行 昭和63年4月1日)医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行う事を業とする医療機器の専門医療職種です。医師をはじめ、看護師などと共に医療機器を用いたチーム医療の一員として生命維持をサポートしています。
社会的使命
昨今の高度な医療技術の進歩に伴い、医療機器の高度化・複雑化が一層進むなか、社会は臨床工学技士の更なる活躍を求めています。
怪我をしたとき、病気になったとき、身体の状態について検査をしてもらうとき。「医療」はわたしたちが生活していくうえで、欠かすことができないものです。 医師や看護師、医療事務スタッフや栄養士など、さまざまな人たちが協力し、現代の医療を支えています。そして、臨床工学技士も、そのひとつです。

工学”を組み合わせた仕事 〜“いのちのエンジニア”として〜

臨床工学技士は、ほかの医療の仕事と比べてどこが違うのでしょうか? それは、業務のなかで工学の専門知識を活かし、最新の医療機器を駆使するところにあります。臨床工学技士の仕事場のひとつ、手術室とそこで扱われる医療機器を紹介します。 手術室に患者さんが運ばれ、これから心臓の手術が行われます。手術を開始するには、心臓を止める必要があります。しかし、当然のことですが、わたしたちは生きるために心臓を動かし続けなければなりません。 そこで、手術のあいだ、患者さんの心臓の代わりとなる機器を使います。それが「人工心肺装置」と呼ばれる最新の医療機器。そして、人工心肺装置を操作し、医師が手術を行うあいだ患者さんの命を支えることが、臨床工学技士の役割です。手術はときとして長時間にわたります。些細なミスも許されない緊迫した時間のなか、臨床工学技士は医師と連携しながら、患者さんの心臓をまもり続けているのです。 これは、ひとつの場面にすぎません。現在の医療において、医療機器は欠かせないものとなっています。そして、医学と工学の両方の知識をもつ“いのちのエンジニア”臨床工学技士は、機器を通して、たくさんの患者さんの命を支えています。 “医療を支える”とは、だれかの健康と生活、人生に関わっていくということです。これらの職業は、患者さんの身体と心を、つまりは「生命」を預かる仕事。そのため、ひとつひとつに重大な責任が伴いますが、だからこそ、そこで得られるやりがいや達成感は大きいのです。

臨床工学技士になるには

国家試験合格を目指そう

「臨床工学技士」は国家資格です。
そのため、臨床工学技士になるには養成校(大学や専門学校など)に入り、厚生労働大臣の指定する科目を修得し、国会試験の受験資格を得て、試験に合格する必要があります。

資格取得までのロードマップ

養成校に入学しよう

臨床工学技士になるには、まずは養成校に入る必要があります。大学、専門学校、働きながら夜間の学校で…。それぞれの事情に合わせて、養成校にはさまざまなコースが設けられています。 養成校に入学後は、国家試験の合格を目指して勉強・実習にはげみましょう。

国家試験

国家試験の概要

臨床工学技士になるためには臨床工学技士国家試験に合格し、厚生労働省の免許を受ける必要があります。
この国家試験は、例年、養成校を卒業する年の3月に実施されています。
試験日3月上旬の日曜日
試験時間午前:9:30〜12:00
午後:13:30〜16:00
試験場所北海道、東京都、大阪府、福岡県
受験資格文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した臨床工学技士養成所において、3年以上臨床工学技士として必要な知識及び技能を修得した者 など
受験手続き公益財団法人医療機器センターに受験案内を請求し、定められた期間(12月中旬~1月上旬)に受験に関する書類を医療機器センターに提出
合格発表3月下旬に、厚生労働省または公益財団法人医療機器センターのホームページにおいて発表
受験料30,800円
※この情報は平成27年のものです。
国家試験の最新・詳細情報は公益財団法人医療機器センターにてご確認ください。

国家試験の合格率

第33回(令和2年3月1日実施)の試験結果は下記の通りでした。
受験者数2,642名
合格者数2,168名
合格率82.1%
ここ数年における臨床工学技士国家試験の合格率は、およそ80%前後を推移しています。

国家試験の難易度・合格率

臨床工学技士の国家試験は毎年1回実施され、令和5年3月の「第36回臨床工学技士国家試験」では、受験者数2,706人のうち2,311人が合格しています。合格率は85.4%となっており、例年よりもやや高めの水準でした。 (出典:厚生労働省「第36回臨床工学技士国家試験の合格発表について」/
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2023/siken17/about.html) 臨床工学技士は、受験資格を得るまでの期間が長いものの、試験の難易度自体はそう高くありません。地道に学習した上で十分な受験対策を行えば、合格できる可能性は大いにあります。 また、臨床工学技士の資格は、一度取得すれば一生涯有効です。それを考えれば、苦労して勉強するだけの価値は十分にあるでしょう。

国家試験を受けるために必要な知識

臨床工学技士の試験を受けるためには、幅広い分野の知識が求められます。まずは過去5年分ほどの過去問から、出題のポイントをつかむのがよいでしょう。 以下は、臨床工学技士の試験を受ける際に必要となる知識です。・医用電気電子工学
・情報処理工学
・医用機械工学
・生体物性材料工学
・生体機能代行装置学
・医用治療機器学
・生体計測装置学
・医用機器安全管理学 臨床工学技士の国家試験を受ける際は、医学概論で医学全般を理解するほか、上記の分野の知識をしっかりと身に付けておきましょう。それによって、国家試験の合格率をアップさせられるだけでなく、臨床工学技士として働く際にも知識を役立てられます。【関連リンク】臨床工学技士の国家試験の詳細|合格率や出題される科目まで
—臨床工学技士国家試験MEトップページ

参考

臨床工学技士の業務 | 臨床工学技士を目指す方へ | 公益社団法人 日本臨床工学技士会
臨床工学技士のシゴト | 臨床工学技士を目指す方へ | 公益社団法人 日本臨床工学技士会
資格取得までのロードマップ | 日本臨床工学技士教育施設協議会
日本臨床工学技士教育施設協議会では臨床工学技士業務の認知度向上・教育水準の向上・国家試験合格率の向上・教育教材の検討開発・新教育課程の検討を目的に活動しています

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